忘れずに進めましょう! 帰化が許可された後の手続きについて

帰化を申請してから許可が出るまでに、およそ1年の歳月がかかります。許可が出るまでには、祖国から必要な書類を取り寄せて揃えたり、申請書類を作成したり、法務局職員の面接を受けたり、必要に応じて自宅や職場の職員訪問に対応したりと、多くの手間がかかります。ただ、帰化が許可された後も、まだ必要な手続きがいくつかありますので、油断しないでくださいね。


■法務局とのやりとりについて

まず、法務局から帰化の許可が出たならば、官報にその人の氏名と住所が掲載されます。官報は、日本国が定期的に発行している公的な冊子で、過去30日分であれば、インターネットでも無料で読むことができます。帰化の他にも、裁判所から出された破産宣告や失踪宣告、あるいは国会で可決された法律の公布など、国の重要な決定内容が載っています。

官報に掲載される手続きと並行して、法務局から本人へ、帰化が許可されたとの連絡が入ります。電話での連絡の他、郵送で帰化の通知書が送られてきます。その通知書を持って、法務局に出かけていき、帰化者の身分証明書を受け取ると、法務局とのやりとりは正式に終了します。

これをもって、帰化者は正式に日本国籍を取得しますので、選挙で投票したり立候補したり、公務員試験を受けたりする資格も得られますので、日本国の主権者として今までよりも公的な関わりをできるようになるのです。

しかし、法務局とのやりとりが終わっても、必要な手続きがすべて完了しているわけではありません。日本国籍を新たに取得したものとして、他にも進めるべき手続きがありますし、外国人でなくなったことの後始末として行わなければならない手続きも残っています。

  • 新たな日本国籍の取得者として、進める手続き

まず、必ずしなければならないのが、役所への「帰化届」の提出です。住民登録をしている、お住まいの地域を管轄している役所(市役所・区役所・町役場・村役場)で手続きを行いましょう。これによって、今まで外国人として登録されていた住民に関して、正式に日本人となった事実を自治体が把握できるようになりますし、日本の戸籍に載ることになります。

帰化届の提出のときに必要なものは、届出人の印鑑と身分証明書です。日本人の配偶者がいる場合は、配偶者の署名捺印も必要となりますので、申請書を一度持ち帰るか、配偶者も役所に同行したほうがいいです。そして、印鑑を押した記載済み申請書を、役所に提出すれば完了です。

ただし、注意点があります。官報に帰化の事実が掲載された日から、その日を含めて1か月以内に提出しなければなりません。もし期限を過ぎると、ペナルティが課されることもありますので、必ず提出を忘れず、期限内に提出するようにしましょう。

必要に応じて、日本国のパスポート申請を行っておきましょう。日本のパスポートは、入れる国の数が世界一多いもののひとつで、海外渡航にはうってつけですし、人々からの信頼度も高いです。今すぐ海外旅行に出かける用事がなくても、身分証明書として使えます。ただし、戸籍謄本がなければ新規作成ができませんので、帰化届を出してから戸籍ができるまで、2週間ほど待ってからパスポート作成申請を行いましょう。

パスポートの申請は、各地方に点在するパスポートセンターに出向いて行います。東京都内なら、新宿の東京都庁内の他、有楽町・池袋・立川にあります。

また、運転免許証を持っている方は、本籍地や氏名の変更手続きも行いましょう。手続きは各地の免許センターか警察署で行えます。

その他、帰化による氏名の変更に伴って、銀行口座やクレジットカードの名義も変更しておくといいでしょう。思わぬトラブルを回避できます。部屋などの賃貸借契約や、スマホ・ネットなどの契約も名義変更しておくのが得策です。

  • 外国人でなくなったことの後始末としての手続き

まずは、外国人としての身分証明書として所持・携帯してきた在留カードの返納を行います。いわゆる在日韓国人・在日朝鮮人の方が帰化した場合は、特別永住者証明書の返納となります。

ご本人が住居登録している最寄りの市区町村役場が返納先となりますので、帰化届を出すのと並行して行うといいでしょう。もし、市区町村役場に返納するのに都合が良くない場合は、「135-0064 東京都江東区青海2丁目7-11 東京港湾合同庁舎9階 東京入国管理局おだいば分室宛」に郵送することもできます。必ず、封書の表に「在留カード等返納」と記載しておいてください。

この返納手続きは、帰化者身分証明書を受け取ってから14日以内に行わなければなりませんので、くれぐれも注意してください。もし、遅れた場合は罰金などのペナルティが科されることもありえます。

この他、日本では二重国籍が禁じられていますので、祖国の国籍から離脱する手続きをするといいでしょう。離脱の手続きをしなくても、1~2年後には祖国のほうから国籍を除籍されます。ただ、自主的な離脱手続きをしておくと、それまでの間に出入国管理当局に二重国籍が指摘されたり、祖国発行のパスポートが不正使用されたりするトラブルを回避できて確実です。

記事の監修者

Eight Links行政書士事務所 代表 蜂須賀 昭仁

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
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蜂須賀 昭仁

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専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
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