日本に帰化する手続きは3種類 あなたはどれに当てはまる?

外国人が日本に住んでいると「選挙で投票したい」とか「公務員になりたい」という望みが出てくるかもしれません。それを実現させる解決策こそが帰化、つまり日本国籍の取得です。外国人が日本国籍を取るための帰化の手続きは、それ自体が大変で専門的な知識も必要となってしまいますが、その分類も意外と複雑です。帰化手続きには、大きく分けて3種類あるのをご存知でしょうか?

この記事では、3種類の帰化の違いについて、概略的に説明します(詳しい解説は、別のページに譲ります)。

  • 3種類の帰化の違い

外国人が日本に帰化する手続きには「普通帰化」「簡易帰化」「大帰化」の3種類があります。普通帰化と簡易帰化は、外国人が法務局に申請することをきっかけとして行われ、申請内容によっては不許可になるおそれもあります。一方で、大帰化は申請が不要であり、日本国のほうから帰化を願うという立場となります。大帰化の場合はその性質から、不許可になることもありません。

3種類の帰化は、国籍法に定められていますが、その条文だけを読んでもよくわからないですし、その実態が全て法律に書き込まれているわけではありません。そこで、専門家である行政書士のわたしが、それぞれの帰化について、まずは大まかな中身から説明していきます。

  • 普通帰化について簡単に説明します

大半の外国人は、日本に帰化する場合に普通帰化の手続きを踏むことになるでしょう。普通帰化では一般的に7つの条件が必要だといわれます。1つずつクリアしていく必要がありますし、クリアが困難な条件もありますので、必ず押さえておきましょう。

まずは住居要件です。引き続き5年以上にわたって、日本に住み続けていることが条件とされています。ただ単に日本が好きだというだけでは足りず、実際に正式な在留資格を取って5年以上、日本に居住し続けていなければならないのです。もちろん不法滞在ではいけません。また、そのうち3年間は就労のための居住をしていなければなりません。

次に能力要件。要するに年齢制限であり、18歳以上でなければなりません。もっとも、18歳未満であっても、親などが保護者として申請すれば問題なく認められます。

また、素行要件が特に重要です。善良で真面目に生きてきたかどうかが問われます。この素行要件をクリアできずに帰化が認められないケースが続出していますので、注意してください。

さらに、生計要件も見逃せません。定期的に収入が得られているかどうかが条件となっています。いくら貯蓄が多くても評価されず、たとえ特段の高収入でなくても安定的に給与を受け取れる立場かどうかが問題になっていますので、注意してください。

5番目は喪失要件と呼ばれるものです。日本では二重国籍が認められていないことから、母国・祖国の国籍から離脱できるかどうかが問われているのです。たとえば、男性に兵役義務が課されている国では、兵役を務め上げるまで国籍離脱が認められていない例があります。その場合は、母国に戻って兵役を終えるまでは、日本に帰化することはできないこととなります。

6番目は思想要件です。日本国を物理的・政治的に破壊するような危険な考えを持っていないかどうかが問われています。暴力団やテロリスト集団などの反社会的組織に所属している、あるいは所属していた経歴がなければ問題ありません。

最後は日本語能力要件です。日本国籍を取得して日本人になる手続きとはいえ、日本語能力はそこまで高度なものが求められているわけではなく、日本語能力試験の3級(N3)があれば十分だとされています。もちろん、2級や1級を取得していれば申し分ありません。

■簡易帰化について簡単に解説します

簡易帰化は、普通帰化よりも求められている要件がゆるく、申請が認められる可能性が高い手続きです。たとえば、在日韓国人・朝鮮人(特別永住者)の方や、すでに日本人と結婚している外国人などについては、簡易帰化の手続きが認められ、不許可になる可能性が低くなるメリットがあります。

ただし「簡易」とはいっても、手続きの手間が簡略化されるわけではありません。やはり、普通帰化と同じように7つの要件が求められますので誤解のないようにしましょう。人によってはむしろ、普通帰化をする場合よりも手続きが煩雑になり、より大量の書類が求められることも珍しくないのです。

なお、韓国には男性に兵役義務が課されていますが、日本生まれの在日韓国人・朝鮮人の場合は、兵役の対象外となりますので、簡易帰化における喪失要件はクリアされています。


■大帰化は考えなくていい

大帰化とは、日本国に対して特別に功労実績のある外国人に対して「ぜひ日本国籍をもらってほしい」と、政府のほうからアプローチしてくる制度です。国籍法に定められており、国会の承認が必要となりますが、過去に大帰化が認められた例はありません。そのため、「特別な功労実績」とは具体的に何なのかが明らかではありませんし、帰化を申請する上では考えに入れておく必要はないでしょう。

記事の監修者

Eight Links行政書士事務所 代表 蜂須賀 昭仁

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
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