日本人と結婚した外国人の帰化について、注意すべきことは?
晩婚化や未婚化が進んでいる日本国内でも、国際結婚は増加しており、2019年では全体の3.7%が日本人と外国人の組み合わせだとされています。日本では、妻が外国人の例が多く、しかも中国・韓国・フィリピンなどのアジア諸国出身者に人気が集中しています。一方で夫が外国人のケースは、欧米諸国出身の場合が増え、より多様性があります。
このように日本人と結婚した外国人には、それ自体で配偶者としての在留資格が認められています。職種を選ばずに仕事ができるため、就労ビザで在留している外国人と比べても、かなり優遇されているのです。
それでも「結婚や出産のタイミングで日本国籍を取りたい」とか「日本の公務員になりたい」などの動機で、帰化を望む外国人が多いです。その場合、どのような点に注意すべきでしょうか。
■住居要件の緩和での注意点
日本人と結婚した外国人の方は、住居要件が緩められる簡易帰化の対象となります。原則として。5年以上継続して日本に住み続けていなければ帰化は認められないところ、日本人と結婚した外国人が帰化を申請する場合、その要件が「3年以上」に緩和されるのです。
たとえば、仕事や留学などで3年以上日本に住んでいるのであれば、日本人と結婚した時点で住居要件を満たします(ただし、帰化を申請する時点でも日本に住んでいなければなりません)。
また、外国人が日本人と結婚した場合、就労経験が問われずに住居要件が満たされるという特典があります。なので、帰化を申請する上ではかなり有利な立場といえるのです。
少しややこしいのが、日本国外で日本人と結婚した場合です。3年以上日本に住んでいない場合でも、結婚生活を3年以上送っていて、日本に住所を置いている期間が1年以上あり、帰化申請の時点で日本に住んでいるならば、住居要件を満たすことになります。
たとえば、韓流ドラマが好きな日本人女性が韓国の大学に留学し、そこで韓国人男性と知り合って結婚した場合、もし男性が日本に帰化しようと考えるならば、必ず日本に少なくとも1年以上、住所を置いていなければなりません。なお、韓国と日本での結婚歴が合計で3年以上あればいいので、韓国で2年、日本で1年結婚生活を送っていれば、住居要件を満たし、帰化申請が可能となります。
■オーバーステイの場合
日本人と結婚した外国人であっても、過去にオーバーステイ(在留資格の期限を超過した滞在)の事実があったなら、すぐには帰化申請が認められないかもしれません。オーバーステイがあった時点で、日本に滞在している継続性が途切れて、住居要件を満たさなくなってしまいます。さらにオーバーステイは出入国管理法違反のれっきとした犯罪であり、発覚すれば素行要件も満たさなくなります。
オーバーステイを犯してしまった外国人でも、日本人と結婚すれば在留特別許可が出て、引き続きの日本滞在が認められることがあります。とはいえ、日本に帰化することが認められるかどうかは、また別の話です。一般的には在留特別許可から10年以上が経過すれば、晴れて帰化が認められるとされています。つまり、簡易帰化が関係なくなり、普通帰化よりも条件が厳しくなってしまうのです。かなり長い期間にわたって帰化が認められない状況が続いてしまいますが、オーバーステイが犯罪として扱われる以上、仕方のないことかもしれません。
■年金に関して
年金保険料の支払いは、帰化申請の素行要件と関連しています。つまり、年金保険料の未納・滞納があると、帰化が不許可になってしまうのです。しかし、日本人と結婚した外国人の場合は、もし日本人配偶者の扶養に入っていれば「3号被保険者」として年金保険料を支払う必要がなくなります。
もちろん、扶養に入っていない場合は年金保険料を払っていなければ帰化申請が通りません。また、日本人配偶者が自営業をしているなど国民年金のみの場合も、自分自身の国民年金保険料を支払っている事実が必要になります。
■主婦・主夫になる場合の生計要件は?
もし、家族のメインの収入源が日本人配偶者で、外国人が主婦・主夫になっている場合、その外国人が仕事をして収入を得ていなくても、日本人配偶者が生計要件を満たしているならば、問題ありません。なぜなら、生計要件は個人単位でなく、家計全体で捉えられて審査されるからです。家族はお互いに支え合うものなので、たとえ主婦・主夫自身に経済的な意味での収入がなかったとしても、日本人配偶者が収入を得るための仕事をしやすくする環境を整えて、安定収入に貢献していると評価しているからです。また、家事・妊娠・出産・育児など、主婦・主夫が日々、家庭内で務める重要な仕事も多く存在します。よって、主婦・主夫であることを書面で伝えれば、無収入と判断されて帰化が不許可となることはありません。
家計において、年収300万円前後あれば、帰化の許可を得るための条件はクリアされます。月収18万円前後でも帰化の許可が出た例は多いです。
記事の監修者
Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
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https://eightlinks.link/marriage/
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