簡易帰化ができる「9つ」のケースについて解説します
簡易帰化は、普通帰化よりも要件が緩和されている場合があり、帰化が認められる可能性も高いです。よって、もし可能であれば、簡易帰化で申請したいと思う人が多いでしょう。簡易帰化ができるケースは、国籍法に認められている9パターンがあります。どれか1つに当てはまれば十分です。
■日本国民であった者の子(養子を除く。)で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有するもの
普通帰化であれば、引き続き5年以上日本に住んでいなければなりません。これが住居要件です。ただし、過去に日本国民で別の国に帰化した父・母が海外に移住していて、その結果として外国籍になっている実子なら、引き続き3年以上、日本に住んでいれば足りると、帰化のための住居要件が緩められていることがわかります。
条文にあるとおり、養子には適用されません。その場合は普通帰化として5年以上の住居要件を満たしていなければなりません。
■日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの
このケースは、在日韓国人や在日朝鮮人(特別永住者)の子孫が当てはまることが多いです。日本生まれの外国籍の方なら、海外在住歴がない限り、満3歳以上でこのケースに当てはまるようになりますし、両親の少なくともどちらか一方が日本生まれであれば、やはりこのケースに該当します。そうなれば、住居要件が緩和されるのです。
ただし、もし養親子関係であれば適用されないので、その場合は原則通りに普通帰化で申請します。
■引き続き10年以上日本に居所を有するもの
このケースも在日韓国人・在日朝鮮人(その子孫)の方ならば、大半が当てはまるはずです。また、留学生として来日して、大学院の博士課程まで進んでいる方なども多くが当てはまります。普通帰化ならば「5年以上」が要件なのに、「10年以上」でどこが緩和なのかと疑問に思う人もいるかもしれませんが、ここで重要なのは就労条件です。
普通帰化なら、5年以上のうち少なくとも3年間、日本で就労した経験がなければなりませんが、このケースでは10年以上のうち少なくとも1年間、日本で就労した経験があれば足ります。
■日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの
普通帰化なら5年以上の住居要件も、日本人と国際結婚をしている外国人なら、3年以上日本に住んでいれば簡易帰化の住居要件が満たされます。これは、婚姻歴が3年以上という意味ではありません。結婚前も日本滞在歴に含まれますので、すでに3年以上日本に住んでいる外国人は、日本人と結婚した瞬間に、住居要件を満たすことになります。
このように日本人と国際結婚すれば、住居要件だけでなく能力要件も緩和されますので、20歳未満でも単独で簡易帰化できるようになります。ただし、事実婚(内縁)では認められません。必ず婚姻届を提出する法律婚でなければなりません。
■日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有するもの
このケースは、海外で日本人と国際結婚していて、しばらくして日本に来た外国人の場合が対象です。日本人との婚姻歴が3年以上あれば、日本での居住歴が1年以上と、さらに住居要件が緩められるのです。ここでも、やはり能力要件が緩和されますので、20歳未満でも単独で簡易帰化の申請ができます。
■日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの
このケースは条文からは読み取りにくいですが、たとえば、外国人の親が先に日本に帰化していて、その子どもが後で帰化する場合や、日本人の子として生まれながらも国籍選択で外国を選択していたが「やっぱり日本がいい」と帰化する場合などが当てはまります。
この場合、住居要件、能力要件に加えて生計要件も緩和されますので、安定した収入源があるかどうか審査されなくなります。より帰化が認められやすいといえるでしょう。
■日本国民の養子で引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの
日本人と養子縁組をしている外国人の例です。たとえば、シングルマザーの連れ子として日本にやってきて、日本人男性と再婚し、その父との間で養親子関係になった場合などが該当します。もし養子縁組の時点で、その外国人が未成年なら、引き続き1年以上日本に住んでいれば足りると、住居要件が緩和されますし、先ほどと同様、生計要件が緩められます。
■日本の国籍を失った者(日本に帰化した後日本の国籍を失った者を除く。)で日本に住所を有するもの
いわゆる再帰化の手続きです。もともと日本人で、他国に帰化したことによって外国籍を取ったけれども、「やっぱり日本がいい」と、帰化手続きを進める場合は、住居要件、能力要件、生計要件が緩和される簡易帰化が認められます。ただし、過去に日本へ帰化した経験がある外国人で、現在は外国籍であるという方は当てはまりません。つまり「再々帰化」では原則通り、普通帰化による申請をしなければならないのです。
■日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き3年以上日本に住所を有するもの
日本とは違う国籍制度を持っている国の外国人が、日本で子どもを産んだ場合です。もし、子どもが生まれたところを基準に国籍を決める「出生地主義」の国の出身だった場合、その子どもは、その国の国籍を持てません。かといって、日本は親の国籍を基準に子どもの国籍を決める「血統主義」を採用しているため、子どもは日本国籍を取ることもできません。
つまり、子どもが無国籍となってしまうため、それを救済する意味でも簡易帰化で子どもが日本人になれるようにしているのです。この場合、住居要件、能力要件、生計要件の3つが緩和されます。
記事の監修者
Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
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