自分でできる!帰化申請書類の書き方ガイド(履歴書・親族概要書など)

帰化申請では、申請者本人が作成する書類が多数あります。行政書士に依頼すれば安心ですが、ポイントを押さえれば自分で作成することも十分可能です。特に「書類を整える力」が、帰化の成否を左右します。
この記事では、主要な申請書類――帰化許可申請書・履歴書・親族概要書・生計概要書・動機書――の書き方を順に紹介します。すべて広島法務局など全国共通の書式に対応しており、広島県で申請する方にも役立つ内容です。
書き方のコツ、注意点、法務局でのチェックポイントを丁寧に解説しますので、この記事を読み終えたときには、自分の力で申請書類を完成させるイメージが持てるはずです。
帰化許可申請書の書き方
帰化申請書はすべての書類の中心です。ここでの誤記や不整合は審査遅延の原因になります。基本ルールと記入のポイントを押さえましょう。
帰化許可申請書は、申請者本人の身分・住所・帰化後の希望氏名などを記載する最も重要な書類です。法務局で交付される指定用紙を使用し、黒のボールペンで記入します。修正液・フリクションボールペンは使用不可です。
| 記入項目 | 記入ルール | 注意点 |
|---|---|---|
| 日付 | 法務局で提出時に記入 | 自宅では空欄のまま |
| 出生地 | 出生証明書の記載どおり | 外国の場合は市・省・国名を正確に |
| 住所 | 住民票の記載どおり | 単身赴任中は実際に住んでいる場所 |
| 氏名 | 日本語表記(漢字・カタカナ) | 中国・韓国の方は日本の漢字に変換可 |
| 通称 | 過去に使用した通称名をすべて記載 | 使用歴がなければ空欄で可 |
| 帰化後の氏名 | 自由に決定可(漢字・ひらがな・カタカナ) | 日本風でも、現名の音訳でも可 |
| 本籍地 | 日本国内の任意住所を設定可 | 実家・親族宅などを選ぶ例が多い |
証明写真は5cm×5cm、背景無地・帽子なしで撮影。提出前6か月以内のものを2枚用意します。
また、署名欄は法務局で署名します。これは本人確認と筆跡照合のためです。広島法務局(中区上八丁堀6-30)では、職員立会いのもとで署名を行います。
親族の概要書の書き方
親族の概要書は、家族構成や親族関係を明確に示す重要な書類です。偽装結婚などの確認目的もあるため、正確さが求められます。
親族概要書は、申請者の親族全員との関係・氏名・住所・連絡状況などを一覧で記載する書類です。
| 対象となる親族 | 記載要否 |
|---|---|
| 配偶者(同居・別居問わず) | 必須 |
| 子・親・兄弟姉妹 | 必須 |
| 配偶者の両親 | 必須 |
| 内縁関係・婚約者 | 記載対象 |
| 同居の叔父叔母など親族 | 任意(関係が密な場合のみ) |
記載は日本在住用紙と海外在住用紙を分けて行います。
外国人の氏名も、必ずカタカナ表記に統一しましょう。漢字やローマ字での記載は不可です。
続柄は「長男・長女」「夫の母」「前妻」など日本語で統一します。「次男」「次女」という表記は誤りです。
また、亡くなった親族や離婚した配偶者も記載対象となります。申請者本人は、帰化許可申請書で既に記載しているため、ここには書きません。
電話・メールなどの連絡が取れる場合は「交際有」に○をつけます。
広島法務局では、親族構成と外国の戸籍制度の違いを丁寧に確認されることが多いため、提出前に翻訳文と整合性をチェックしましょう。
履歴書の書き方(その1・その2)
履歴書は、学歴・職歴・家族関係・出入国履歴を詳細に記載します。年号や日付のミスは不許可の原因になります。
帰化申請の履歴書は「その1」「その2」の2枚構成です。
履歴書その1:学歴・職歴・婚姻・家族の出来事
- 元号(令和・平成・昭和)で統一し、西暦は使用しない
- 幼稚園・保育園は不要、小学校入学から記載
- すべてのアルバイト・転職を含めて記載
- 婚姻・離婚・出生・死亡など家族の出来事も年月まで記載
履歴書その2:出入国・資格・賞罰
- 普通帰化:過去5年分、簡易帰化:1〜3年分を記載
- 出入国記録はパスポートまたは出入国在留管理庁から取得可
- 交通違反も「賞罰欄」に記載(軽微な違反でも省略不可)
- 運転記録証明書を添付し、年月日・違反内容・罰金額を記入
| 項目 | 参照資料 | 補足 |
|---|---|---|
| 出入国履歴 | パスポート/入管記録 | 渡航日・帰国日を時系列で |
| 交通違反 | 運転記録証明書 | 飲酒運転などは厳格審査対象 |
| 学歴・職歴 | 卒業証明書・雇用証明書 | 法務局で裏付け確認あり |
広島法務局では、勤務先の住所や在職期間が異なると面談での質問が増える傾向にあります。過去の給与明細や会社登記を確認し、整合性を確保しましょう。
生計の概要書の書き方
生計の概要書は、帰化後に安定した生活を送れるかを確認するための書類です。フロー(収支)とストック(資産)の両面を記載します。
生計概要書は「その1(毎月の収支)」と「その2(資産状況)」に分かれています。
申請者本人と、同居している家族で収入のある人それぞれが作成します。
その1(キャッシュフロー)
- 記入期間:申請前月の1か月分
- 収入項目:給与、事業収入、年金、仕送りなど
- 支出項目:家賃、食費、教育費、保険料、医療費など
- 収入と支出の合計は必ず一致させる
その2(資産・負債)
- 預金・不動産・株式・自動車など100万円以上の資産を記載
- 登記事項証明書・残高証明書・取引明細書などを参照
- 借入金は借入先・目的・残高・完済予定を明記
| 項目 | 記載対象 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 不動産 | 土地・建物 | 登記事項証明書 |
| 預貯金 | 本人名義・同居家族分 | 残高証明書・通帳 |
| 自動車 | 100万円以上 | 車検証・中古相場 |
| 負債 | 住宅・教育ローン | 契約書・返済明細 |
広島県内では、住宅ローンを含む世帯収入300万円以上が安定的な生計と見なされる傾向があります。単身者でも、年間収入200万円以上あれば要件を満たすケースが多いです。
動機書の書き方
動機書は、唯一「自由記述」の書類です。自分の言葉で日本への思いを伝えることが、審査官の心を動かします。
動機書は手書きで黒のボールペンを使用し、500字程度でまとめます。修正液やパソコン入力は無効です。
15歳未満または特別永住者は作成不要ですが、原則として本人の手書きが求められます。
構成の基本:「過去 → 現在 → 未来」
| 段階 | 内容 | 書き方のヒント |
|---|---|---|
| 過去 | 来日の経緯・祖国での生活 | 学業・仕事・家族構成を簡潔に |
| 現在 | 日本での生活・職業・地域活動 | 感謝・社会参加のエピソードを具体的に |
| 未来 | 帰化後の目標・社会貢献 | 日本人として果たしたい役割を書く |
例文(抜粋)
私はベトナムのハノイで生まれ、18歳で留学のため来日しました。広島で学び働く中で、日本の丁寧な暮らしや人々の思いやりに魅力を感じ、私もこの社会の一員として貢献したいと思うようになりました。これからは、日本人として家族と共に地域に根ざした生活を送りたいと考えています。
感情的な表現よりも、「日本で築いた生活基盤」や「社会への貢献意欲」を具体的に書くことが重要です。広島法務局では、地域活動やボランティア経験を重視する傾向があるため、実際のエピソードを交えると好印象です。
まとめ
帰化申請の書類作成は、量も多く複雑ですが、ルールを理解すれば自分で進めることが可能です。
大切なのは、一貫性・正確性・丁寧さです。住所・氏名・日付などの不一致があると、審査が長期化します。
広島県での申請は、広島法務局 国籍課(広島市中区上八丁堀6-30)が窓口です。初回相談は無料で、事前予約が必要です。
書類準備に不安を感じた場合は、行政書士に依頼することで翻訳・書式確認・スケジュール管理まで一括サポートを受けられます。
広島県では外国人支援実績のある行政書士が多数在籍しており、安心して相談できます。
自分で挑戦する勇気と、必要に応じた専門家のサポート――その両輪で、帰化申請を成功に導きましょう。
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/permanent/
広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/work/
広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/businessmanagement/
広島帰化申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/naturalization/
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所 「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
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広島外国人ビザ相談センター https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター https://eightlinks.link/marriage/
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広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター https://eightlinks.link/work/
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