日本での永住を希望する外国人が署名する「了解書」って、何ですか?
永住許可の申請をする外国人は、申請書の他にもいくつかの書面に記入したり、国内外からいろんな証明書類を集めてきたりするなど、手間がかかります。一方で、必要書類の中の「了解書」には、初めから印字されており、最後に日付を書いて署名するだけで終わりです。作成そのものは簡単な了解書ですが、いったいどのような意味があるのでしょうか?
■了解書は、日本の法務大臣への宣誓書
了解書は、2021年10月から提出が求められるようになった書面です。出入国在留管理局を統括している日本の法務大臣に向けて、「永住許可の申請を出してから、結果が出るまでの間に、事情が変わった場合には、速やかに出入国在留管理局に報告します」ということを宣誓する内容になっています。
永住の申請から結果が出るまで、その審査などでだいたい4か月から6か月前後の時間がかかり、中には8か月以上を要する場合もあります。その間に事情が変わって、永住が認められるための条件をすでに満たさなくなっているにもかかわらず、永住許可を不当に得ている外国人が、近年増えてきており、社会問題となっていました。
そこで、審査の間に重大な事情が変わったら、黙っていないで、すぐに報告することを約束する意味で署名するのが了解書の趣旨です。
未成年者も含めて、申請者は必ず署名済みの了解書を提出しなければなりません。ただし、未成年者の署名は、代理人(保護者)による代筆が認められています。
では、どのような事情が変わったら、申請を出した出入国在留管理局に報告しなければならないのでしょうか。
■就労状況に変更があった場合
転職をしたり、同じ会社の中でも人事異動によって職場が変わったりして、その結果、給料が下がってしまうことがあります。給料の水準がそれほど下がらなくても、給与体系が変更になり、ノルマ制や出来高制で毎月の給与額の変動が大きくなり、不安定な収入となることもあるでしょう。
独立して安定した生計を立てられることも、日本での永住が認められるための重要な要件ですから、就労状況に変更があれば、その要件を満たさなくなるおそれがあります。また、高度専門職のポイント制によって、日本滞在期間要件の短縮の特典を得ている場合も、給与などの待遇が変わることで、ポイントが下がり、やはり要件を満たさなくなるかもしれません。よって、出入国管理当局への報告義務が課されるのです。
■家族状況に変更があった場合
原則として、日本に引き続き10年以上暮らしていることが永住の認められる条件ですが、たとえば、日本人と結婚した外国人の場合は、婚姻から3年が経っていて、日本に1年以上居住していれば、永住が認められる条件をクリアできるという優遇特典があります。それなのに、永住の申請から結果が出るまでの間に、離婚したり結婚相手に逃げられたりしたことで、条件を満たさなくなる事例が続出しています。
その他、新たに同居の家族が増えたことで、収入で扶養すべき人数が増えて、生計に影響が出てくるおそれもあります。よって、家族状況に変更があった場合にも、報告義務を課すことになったのです。
■税金、年金保険料、医療保険料の納付状況について、申請時点から変更が生じた場合(滞納した場合など)
税金や社会保険料を確実に納めていることも、永住が認められるための条件ですが、申請から結果が出るまでの間に、未納・滞納が起きてしまったことで、永住の条件を満たさなくなる事例も、しばしば起きています。そこで、納付状況に変更があった場合に、報告義務を課しています。
■生活保護等の公的扶助を受けることとなった場合
日本の地方自治体から生活保護を受け始めた時点で、独立して安定した生計を立てるという永住の条件を満たしていないことは明らかです。生活保護を受けることは日本国民の権利ではありますが、永住者はあくまで外国人ですので、生活保護の優先順位は下がります。生活保護と引き換えに永住が認められないデメリットを受けても仕方のないところです。よって、申請から結果が出るまでの間に、生活保護を受けることになったなら、速やかに出入国管理当局へ報告する義務を負います。
■刑罰法令違反により、刑が確定した場合
要するに、犯罪の容疑者として有罪が確定した場合です。日本で品行方正に暮らしていて、素行がいいことも永住が認められるための条件ですので、罪を犯したことが明らかであれば、永住が認められなくなるとしても仕方がないところです。
ただし、警察に逮捕された、あるいは検察に起訴されて裁判にかけられたというだけでは「刑罰法令違反により、刑が確定した場合」に該当しません。裁判所によって有罪が確定するまでは、無罪が推定されるからです。一審(地方裁判所など)で有罪になったとしても、控訴や上告で争い続けている限り、まだ有罪は確定していません。もし、永住申請から結論が出るまでの間に、有罪が確定すれば、出入国管理当局に報告しなければなりません。
以上のように、申請者にとって不利な事情変更を報告したことによって、永住が不許可になることもあるでしょう。それは仕方のないことです。事情変更を報告せずに、不当に永住許可を得て、後になって許可が取り消されることの方が、出入国在留管理局からの心証は悪いです。日本に在留し続けるなら、正直でいましょう。
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
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