永住理由書の書き方とは？初めてでも安心な書き出し例とポイント解説

永住許可の申請では、申請書類や課税証明書などとともに「永住理由書」を提出することが求められています。特に近年は、日本人の配偶者であっても追加提出を求められるケースが増えており、事実上の必須書類といえる状況です。しかし「自由に書いてください」と説明されることも多く、何から書くべきか迷う人は少なくありません。本記事では、永住理由書を「過去・現在・未来」の順に整理し、そのまま書き進められる構成方法と注意点を紹介します。広島県（入管広島出張所を含む）で永住申請を検討している方にとって役立つ内容をまとめています。

永住理由書は「過去・現在・未来」で整理する

永住理由書では、内容の感情的な表現よりも「何を、どの順番で伝えるか」が重要です。出入国在留管理局は、申請者が日本で安定した生活基盤を築いているか、そして今後も継続できるかを重視して確認します。そのため、永住理由書は次の3つの流れで整理すると、読み手に伝わりやすくなります。

【過去】日本に来てから現在に至るまでの経歴

【現在】就労状況、収入、納税、社会保険の加入など安定した生活基盤

【未来】今後、日本でどのように生活し社会に関わりたいか

この構成に沿うことで、審査官は自然と情報を理解でき、申請者に対する信頼が生まれやすくなります。

「過去」の書き方：履歴を時系列でシンプルに整理する

過去の経歴は、留学、就労、結婚など日本に住むことになった経緯を、時系列で整理して記載します。複雑に説明する必要はありません。

例）

○年○月：留学ビザで来日し□□大学に入学
○年○月：□□株式会社に就職（技術・人文知識・国際業務）
○年○月：日本人配偶者と婚姻

審査で重視されるのは「在留資格の履歴と矛盾がないか」という点です。過去の申請情報は入管に残っているため、内容に食い違いがある場合は隠さず理由書にて正直に説明したほうが結果が良くなります。

「現在」の書き方：生活基盤と社会的信頼の証明

現在の生活状況では、就労・収入・納税・社会保険加入の状況が確認されます。特に、未納や長期滞納がある場合は、永住申請前に必ず解消することが重要です。

チェック項目	内容	補足
就労状況	会社員 / 自営業 / フリーランス	在留資格と仕事内容が一致していること
年収	目安として年収300万円以上	必ずの基準ではなく総合判断
税金・社会保険	住民税・健康保険・年金	未納があれば申請前に完納すること
品行	交通違反・刑事歴など	過去の出来事は隠さず説明すれば問題ない場合が多い

広島県では大都市と比べ相談先が少ないため、理由書の質が結果を分けることがあります。不安がある場合は専門家に相談することで申請の精度を高められます。

「未来」の書き方：具体的な生活・仕事・家族・社会貢献

「日本でこれからどのように暮らしていきたいか」を、抽象的な感情ではなく、具体的な計画で書くことが重要です。

例）

• 子どもの教育環境を安定させたい
• 勤務先の職務キャリアを継続したい
• 自宅の購入や地域活動への参加を予定している

審査官は「日本社会との継続的な関係」を高く評価します。

まとめ

永住理由書は、ただ「日本が好きです」と書くだけでは十分ではありません。「過去・現在・未来」を整理し、安定した生活基盤と日本での将来像を示すことが重要です。特に、納税や社会保険の加入状況、収入の安定は永住審査において大きな判断要素となります。

広島県で永住申請を行う場合、申請先は広島市にある入管広島出張所となりますが、審査基準は全国統一のため、書類準備の質が結果に直結します。「何を書けばいいのか分からない」「過去の申請内容との整合性に不安がある」という方は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

当事務所では、永住理由書の添削・作成サポートをはじめ、申請前の状況整理や不安点の確認など、個別に寄り添った支援を行っています。初めての方でも安心してご相談ください。

参考出典：法務省 出入国在留管理庁「永住許可統計」ほか