これでよくわかる! 外国人が日本の永住を認められるための条件とは?

2023.01.05

カテゴリ

ブログ

日本の永住資格は、外国人の在留資格の中でも最高峰と位置づけられています。他の在留資格のように更新する必要がなく、永久的に有効となりますし、仕事内容など国内での活動に関して制限がなくなります。

ただし、日本の出入国管理当局からそれだけの信頼を積み重ねている外国人でなければなりません。万が一、日本に危害を加えかねない外国人に永住資格を与えてしまうと、国籍を外国に置いたまま、日本国内で暗躍させてしまうリスクもあるのです。よって、外国人に永住を認めるための条件は、それなりに厳しく規定されているのです。

このページでは、日本に在留してきた外国人に永住権が与えられるための条件について解説しています。



■現在持っているビザが最長の在留期間であること

 (※現状は、3年以上の在留期間で申請できます。)

まず、保有しているビザが、その種別において、日本の法令(出入国管理及び難民認定法施行規則)で定められている最長在留期間を認められていなければなりません。それだけ長期間、日本に済ませても構わないと、出入国管理当局が信頼していることの裏付けでもあります。

つまり、外国人が日本に来て、いきなり永住資格を取ることは不可能だということがわかります。

永住を想定できる各在留資格について、法令で認められている最長在留期間は、それぞれ次の通りです。

公用……5年

教授……5年

芸術……5年

宗教……5年

報道……5年

高度専門職……(1号)5年・(2号)無制限

経営・管理……5年

法律・会計業務……5年

医療……5年

研究……5年

教育……5年

技術・人文知識・国際業務……5年

企業内転勤……5年

介護……5年

興行……3年

技能……5年

特定技能……3年

文化活動……3年

留学……4年3か月

家族滞在……5年

特定活動……5年

インドネシア・ベトナム・フィリピンとの間に締結しているEPA(経済連携協定)に基づいて、日本の人材と交換的に在留している看護師・介護福祉士……3年

日本人の配偶者等……5年

永住者の配偶者等……5年

定住者……5年


■ 素行が善良であること

過去に日本社会に対して、危害や損害を加えたことがなく、平穏に暮らしてきた実績があることが必要です。オーバーステイなどの犯罪歴や、飲酒運転や速度超過、駐車違反などの交通違反歴だけでなく、税金や公的年金、公的医療保険の保険料などを滞納していないかどうか、出入国管理当局に対して必要な届出をしているかどうかがチェックされます。なお、違反点数1~2点といった比較的軽微な交通違反はおとがめなしとなることが多いです。

ただし、日本人・永住者・特別永住者の配偶者、または子が永住資格を申請している場合は、この素行要件の項目のチェックが免除されます。


■ 独立生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

日常生活において独立して毎月、安定した収入を得られているかどうか、十分な資産があるかどうかがチェックされます。永住を認めても、収入が少なく生活保護などのお世話になるのでは、むしろ公共の負担になりかねないからです。おおむね、世帯年収が300万円あれば十分だと考えられています。無収入の専業主婦(主夫)でも、配偶者の年収が十分にあれば永住資格を申請して問題ありません。

ただし、日本人・永住者・特別永住者の配偶者または子、あるいは難民認定を受けている外国人が永住資格を申請している場合には、この生計要件の項目のチェックが免除されます。


■ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと

特に、伝染病・感染症の心配がある外国人は、永住が認められない場合があります。その他、自宅がゴミ屋敷状態になっていて、その影響で公共の場所にまで物が散乱していたり、悪臭が漂っていたり、虫などが飛び交っていたりするなど、周りに迷惑をかけている状況であれば、これも公衆衛生上の観点から有害だと認定され、永住が認められないおそれがあります。ただし、法律で明確に規定されていないため、最終的には出入国管理当局の判断となります。


■10年以上継続して日本に在留していること

原則として、10年以上にわたって引き続き日本に在留しており、そのうち少なくとも就労ビザや居住資格をもって5年以上在留していることが条件です。ただし、就労ビザは「技能実習」と「特定技能1号」を除きます。

とはいえ、10年以上の在留を必要としない、例外的な扱いが認められる場合も少なくありません。

たとえば、定住の在留資格を持っている外国人や難民認定を受けている外国人は、その許可や認定を受けてから引き続き5年以上日本に在留していれば、条件を満たすという扱いになっています。

また、日本人・永住者・特別永住者の配偶者の方であれば、結婚してから3年以上、日本に在留していれば条件を満たします。もし、海外で日本人・日本の永住者・特別永住者と結婚した場合、結婚後3年が経過しており、かつ日本に1年以上在留していれば条件を満たします。

日本人・永住者・特別永住者の配偶者の子は、引き続き1年以上日本に在留していれば、条件を満たします。