簡易帰化の9つのパターンとは?対象になるケースをわかりやすく解説

日本に長く住み、「そろそろ帰化を考えたい」と思っても、「自分がどの手続きに当てはまるのかわからない」という方は多いでしょう。実は、外国人が日本に帰化する方法の中でも、条件が緩和される「簡易帰化(かんいきか)」という制度があります。
普通帰化よりも審査基準が一部ゆるやかで、特定の家族関係や居住状況に該当する場合に認められます。国籍法では、この簡易帰化に当てはまるケースを9つ定めています。
この記事では、それぞれのケースをわかりやすく解説し、広島県での申請や相談のポイントも紹介します。あなたがどのタイプに該当するか、確認してみましょう。

簡易帰化とは?普通帰化との違いを整理

簡易帰化とは、日本との関係が深い外国人に対して、帰化条件を一部緩和する制度です。普通帰化とどのように違うのかを、まず整理しておきましょう。

簡易帰化は、国籍法第6条〜第8条に規定されている制度です。普通帰化では、7つの条件(住居・能力・素行・生計・喪失・思想・日本語)が求められますが、簡易帰化ではこれらの一部が免除・緩和されます。

比較項目普通帰化簡易帰化
主な対象者一般の外国人日本人の配偶者・子・特別永住者など
住居要件日本に5年以上居住条件により1〜3年に短縮
生計要件安定収入が必要場合により免除あり
能力要件成人(18歳以上)一部未成年でも可
審査傾向厳格緩やか(ただし書類数は多い)

つまり、簡易帰化の対象になるかどうかが、帰化のしやすさを大きく左右します。
広島県では、特別永住者や国際結婚による外国籍の配偶者が多く、この簡易帰化制度を活用するケースが増えています。手続き自体は法務局(広島法務局 国籍課)で行いますが、条件判断には専門家のサポートが有効です。

簡易帰化の9つの対象パターン

国籍法は、簡易帰化が認められる「9つのケース」を明確に示しています。いずれかに該当すれば、通常よりも緩やかな条件で帰化申請が可能です。

以下の表は、簡易帰化の9パターンと、それぞれで緩和される条件をまとめたものです。

No.対象者緩和される主な条件
元日本人の子(養子除く)で、日本に3年以上居住住居要件を5年→3年に短縮
日本生まれで3年以上居住、または両親のどちらかが日本生まれ住居要件を短縮(特別永住者などが該当)
日本に10年以上居住し、うち1年以上就労就労要件が緩和(大学院生なども対象)
日本人の配偶者で、日本に3年以上居住住居・能力要件の緩和
日本人の配偶者で、婚姻3年以上かつ日本に1年以上居住居住1年でも可
日本人の子(養子除く)で日本に居住生計・能力要件が緩和
日本人の養子で、未成年時に養子縁組し1年以上居住住居・生計要件が緩和
日本の国籍を失った者で日本に居住住居・生計・能力要件が緩和(再帰化)
日本生まれの無国籍者で3年以上居住複数要件が緩和(救済的制度)

それぞれのケースをもう少し詳しく見ていきましょう。

よくある対象パターン①〜③

最も該当者が多いのが、元日本人の子、日本生まれの特別永住者、長期居住者などです。留学生や技術者として日本で10年以上生活している方も含まれます。

①の「元日本人の子」は、かつて日本国籍を持つ親から生まれた実子が対象です。たとえば、父母のどちらかが外国に帰化し、子がその国の国籍を持っているケースなどです。日本に3年以上住んでいれば、5年要件より短く帰化できます。

②の「日本生まれで3年以上居住」は、在日韓国・朝鮮籍の特別永住者や、日本で生まれた外国籍の子どもが該当します。両親のどちらかが日本で生まれていれば、さらに有利になります。

③の「10年以上居住」は、一見厳しそうですが、就労要件が緩和されている点が特徴です。普通帰化では「5年以上+3年以上就労」が必要ですが、簡易帰化では「10年以上+1年以上就労」で認められる場合があります。
大学院進学や研究職など、長期間の滞在者が多い広島県では、この条件で申請する方も少なくありません。

配偶者・家族関係による緩和(④〜⑦)

日本人の配偶者・子ども・養子である場合は、より短い居住期間で帰化が認められることがあります。家族関係を証明する書類が重要です。

④・⑤はいずれも「日本人の配偶者」が対象です。

  • 日本人と結婚して3年以上日本に住んでいる場合(④)は、5年ではなく3年で住居要件を満たします。
  • 結婚から3年以上経過し、日本に1年以上住んでいる場合(⑤)も申請が可能です。

たとえば、広島県内で日本人と国際結婚し、在留歴が3年以上ある方は、簡易帰化の対象に該当する可能性が高いです。ただし、事実婚(婚姻届未提出)は対象外なので注意しましょう。

⑥は「日本人の子」である場合です。親がすでに帰化している、または出生時に国籍選択で外国を選んだ子が日本国籍を再取得したい場合がこれに当たります。生計・能力要件が緩和されるため、学生や未成年者でも手続き可能です。

⑦は「日本人の養子」で、養子縁組時に未成年であれば1年以上の居住で申請可能です。たとえば、日本人と再婚した親の連れ子などが該当します。


再帰化・無国籍者の特例(⑧〜⑨)

もともと日本国籍を持っていた人、あるいは日本で生まれた無国籍の子どもにも、簡易帰化の道が用意されています。制度の背景を理解しておきましょう。

⑧は「再帰化」に関する制度です。以前は日本国籍を持っていたが、他国に帰化して外国籍になった人が「日本に戻りたい」と思った場合、簡易帰化が認められることがあります。住居・生計・能力要件が緩和され、比較的スムーズに申請できます。ただし、過去に日本に帰化した後、再び外国籍を取得した人(再々帰化)は対象外です。

⑨は、日本で生まれた「無国籍の子ども」を救済する制度です。両親が国籍を血統で決める国の出身で、日本で子が生まれた場合、子どもがどの国にも属せないことがあります。そのため、3年以上日本に住めば、簡易帰化により日本国籍を取得できます。
広島県にも国際的な家族が増えており、無国籍児への法的支援や国籍取得サポートが行政書士を通じて行われています。

まとめ

簡易帰化は、普通帰化に比べて条件が緩やかな制度ですが、すべての外国人が対象になるわけではありません。
国籍法に定められた9つのケースのうち、いずれかに該当するかを正確に判断することが大切です。
特に、婚姻関係・出生地・居住期間・日本とのつながりが重視されます。

ただし、条件が緩和されていても、書類準備や審査内容は複雑です。誤った申請や記載ミスで審査が長引くケースもあるため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
広島県では、広島法務局や行政書士による帰化相談会が随時開催されています。

もし「自分は簡易帰化の対象になるのか知りたい」「どの手続きが一番早いか相談したい」とお考えでしたら、ぜひ広島帰化申請サポートセンターまでお問い合わせください。あなたの状況に合わせて、最適な申請方法をご案内します。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター

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