自分でもできる! 帰化許可申請書の書き方のコツ

帰化の申請で、中心的な書類となるのが帰化許可申請書です。行政書士に依頼した場合は、話を聞き取って代筆してもらえますが、自分で作成にチャレンジすることもできます。コツさえ掴めば、決して難しいものではありません。


■修正液は使用禁止!

帰化許可申請書は、黒のボールペンで書くようにしましょう。他の人が簡単に書き換えられないようにするためです。字が上手くなくてもいいので、ゆっくりと丁寧に書くようにしたいものです。字が綺麗なことは、法務局の職員に対して良い第一印象を与えることにもつながります。

書き間違えたときには、字の上に取り消し線を引いて、そのそばに書き直します。修正液を使うことはできません。砂消しゴムや消せるボールペン(フリクションボール)も使用禁止ですので注意しましょう。


■日付は空欄にしておく

帰化許可申請書用紙の上のほうにある日付の欄は、法務局で申請するときに記入するルールですので、自宅などで書く時点では空けておきましょう。


■出生地は、生まれた病院(産婦人科)の所在地

日本生まれの方は、出生届の記載事項証明書に書かれていますので、その通りに間違いなく書き写すようにします。最後の地番まで書きましょう。外国生まれの方は、取り寄せた出生証明書など(国によってタイトルが異なります)に出生地が書かれているはずです。


■住所は、住民票のものを書き写す

住所は、住民票に書かれている通りに記入しましょう。住所ぐらい覚えていると思い込んでいても、実際には正確に覚えていないことも少なくありません。ただし、生活の本拠としている場所の実態が、住民票に登録している住所と異なる場合があります。たとえば、東京に住所があるけれども、仙台に単身赴任していて平日は仙台の社員寮で暮らしているが、週末は東京に戻ってくる場合、仙台で生活している時間のほうが長いので、管轄が仙台法務局になる場合があります。その場合は、仙台の社員寮の所在地を住所として記載します。念のため、法務局の職員や行政書士に相談して確認しておきましょう。


■氏名欄の注意点

氏名は、漢字またはカタカナで記入してください。それ以外の文字は使えません。中国人や韓国人の方は、日本で使う漢字に直して記入しなければなりません。

漢字のふりがなは、必ずひらがなで書きます。カタカナ部分にはふりがなを付ける必要はありません。

通称欄には、今まで本名以外で使ってきた通称をすべて記載します。通称を使ったことがなければ空欄で問題ありません。法務局や法務省が、過去の行動の履歴を調べるためですが、たとえ都合が悪くても通称の使用を隠さないようにしましょう。


■本籍は自由に決められる

本籍とは、戸籍の登録地です。日本に帰化して新たに戸籍を作成する際に必要ですので、決めるようにしましょう。日本人の多くは、実家の住所を本籍にしていますが、中には東京タワーや皇居、大阪城の所在地など、自分の好きな場所を本籍にしている人もいます。新たに帰化する方も、自分に深い縁がある場所や、単に好きな場所を本籍に定めることができます。ただし、日本国内において実在する住所でなければなりません。


■帰化後の氏名も自由に決められる

帰化後の氏名は、漢字・ひらがな・カタカナさえ使っていれば、自由に決められます。帰化をきっかけとして日本風の氏名を使い始めることで、差別や偏見の要素をひとつ取り除くことができるのもメリットなのです。

しかし、今まで使ってきた氏名を、カタカナ読みや漢字の当て字にして活かす人も多いです。氏名は個人のアイデンティティーや家族の伝統にも関わりますので、簡単に変えたくないという感情を持ちやすいでしょうし、仕事上の便宜において大きく変化させてしまうと不都合だと考える人もいます。


■申請者の署名欄も空欄で

日付と同様、署名も法務局で提出する直前まで記載しないようにします。職員が確かに本人によって署名されたものであると証明するためです。本人の筆跡を確認することで、その他の記載も本人によって書かれたものだろうと認定できるのです。


■5センチ×5センチの大きさの証明写真を2枚用意

本人確認のための証明写真は、最低でも2枚用意しておきましょう。1枚は帰化許可申請書に貼り、もう1枚は、同時提出する帰化許可申請書のコピー(副本)に貼ります。

証明写真はカラーでもモノクロでも、どちらでも構いません。帽子は禁止で、正面を向き、1人だけで撮らなければなりません(例外的に、15歳未満の子どもが帰化申請する場合は、保護者と一緒に撮影)。申請日の過去6か月間に撮影したものでなければなりませんので、昔撮った証明写真の余りを貼るのは止めましょう。

以上のように、帰化許可申請書を作成すること自体は、専門知識がなくても十分に出来ることです。どうしても難しい、面倒だと感じたときには、行政書士に頼んでみましょう。