コロナ禍で永住ビザはどうなった?申請・更新・出入国の影響と対応策まとめ

2020年以降、世界を襲った新型コロナウイルス感染症の影響は、日本の出入国制度にも大きな変化をもたらしました。永住ビザを取得していた外国人にとっても例外ではなく、「出国中に再入国できない」「永住資格が失効するのでは」といった不安の声が多く聞かれました。特に再入国期限やビザの更新に関して、臨時の救済措置が講じられた時期もありました。本記事では、コロナ禍で永住ビザにどのような影響があったのか、またどのような対応策があったのかをわかりやすく解説します。広島県での実例や相談ニーズも交えて、今後の備えに役立つ情報をお届けします。

永住ビザを持っていても安心できなかったコロナ禍の出入国

新型コロナのパンデミックにより、多くの国で国境が事実上閉鎖されました。日本も例外ではなく、再入国を制限する方針がとられ、多くの永住者が国外で足止めされる事態となりました。

通常、永住者が一時的に出国する際には「再入国許可」または「みなし再入国許可」を利用することで、在留資格の失効を防ぐことができます。しかし、コロナによるフライト停止や入国制限により、再入国期限の1年以内に戻ることが困難となったケースが多数報告されました。

広島出入国在留管理局にも、2020年以降「帰国できないが永住資格を維持したい」という相談が増加。こうした背景から、政府は一定の要件を満たす場合に限り、永住資格の救済措置を実施しました。

救済対象の条件と再申請の流れを確認しよう

コロナによる再入国不能を理由とした救済措置は、あくまでも限定的な条件付きで行われています。以下に救済対象となる条件を表にまとめました。

救済対象となる条件内容
再入国許可またはみなし再入国許可の有効期限2020年1月1日~2023年4月30日までの間に有効期限を迎えた場合
再入国した日2023年4月30日までに再入国を完了していること
ビザの有効期限再入国時点で有効な査証(ビザ)を保持していること
感染症影響の申立書の提出所定の書式にて「コロナにより再入国が困難だった」ことを申告
違法行為の有無不在期間中に重大な法令違反がないこと(例:国外で刑罰を受けていない)

これらの条件を満たす場合、上陸特別許可を経て日本へ再入国したあと、永住資格の再取得申請が可能となります。広島県内の相談者には、必要書類のひな型を提供したり、申立書の文案作成支援を行うケースも増えてきました。

再入国不能による永住資格の失効とその回避法

永住資格は「無期限」とされますが、出国中にみなし再入国許可の有効期間(1年)を超えると自動的に失効します。この点を見落としていた人が、コロナ禍で多数発生しました。

しかし、救済措置の活用により、手続きを踏めば再取得が可能です。以下に、コロナ禍における永住者の典型的な事例を紹介します。

状況リスク対応策
出国後に国際便が停止再入国不能→資格失効救済期間内であれば申立書により再申請可能
再入国許可の有効期限を過ぎた在留資格の自動失効上陸特別許可+永住再申請で回復
出国中にビザ期限切れビザなしで入国できない外務省または在外公館で短期滞在査証を取得し再入国を図る

広島県内に家族がいる永住者からは「帰国後、すぐに再取得できて安心した」という声も多く聞かれます。地域行政との連携でサポート体制を整えることも、今後の災害時・緊急時に重要です。

広島県における永住者とコロナ禍の対応状況

広島県では外国人住民の数が年々増加しており、2023年時点では約4万人が在留しています(出典:広島県国際課統計)。中でも永住資格保持者の割合は増加傾向にあり、地域に定住する外国人が増えている実態があります。

コロナ禍では、広島県国際交流協会が多言語での情報発信を強化し、再入国に関する注意喚起や相談対応も行ってきました。また、行政書士による無料相談会では「再入国の期限を過ぎてしまったが、どうすれば良いか」といった相談が目立ったと言われています。

このように、永住者が直面した課題は個人だけでなく、地域社会全体の支援体制によって緩和されてきました。

今後の備え|再入国に関する正しい知識を持つことが大切

今後も、予期せぬパンデミックや国際情勢の変化により、出入国が制限される可能性はゼロではありません。永住資格を維持するためには、日頃から以下の点に留意しておくことが重要です。

  • 出国前に再入国許可またはみなし再入国許可を必ず確認
  • 再入国の期限やビザの有効期限をスケジュール管理する
  • コロナのような緊急事態に備えて、制度の変更情報をチェック
  • 広島県など地方の入管や行政書士との連携を強める

とくに、永住者の多い広島市・福山市では、地域によるサポート体制の差が生じないよう、今後も相談体制の強化が求められます。

まとめ|コロナ禍でわかった「制度理解の大切さ」と専門家の支援

コロナ禍により、永住ビザをめぐる制度の盲点が一気に浮き彫りとなりました。出国中の再入国制限や永住資格の失効リスクは、多くの外国人にとって想定外の事態だったはずです。

それでも、日本政府は一定の救済措置を講じ、条件を満たす方に対して再取得の道を開きました。広島県でも多くの方がこの制度を活用し、永住資格を取り戻しています。

今後も災害や感染症のような不測の事態が起こる可能性があります。だからこそ、正しい知識と制度の理解が、永住資格を守る最も大きな武器になります。

当事務所では、コロナ禍での再申請手続きや申立書の作成支援なども行っております。広島県にお住まいの方で不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
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蜂須賀 昭仁

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外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応

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