日本の帰化手続きは3種類!普通帰化・簡易帰化・大帰化の違いを解説

「日本に帰化したいけど、どんな種類があるの?」「自分がどれに当てはまるのか分からない」――そう感じている方も多いでしょう。実は、日本の帰化手続きは一種類ではなく、「普通帰化」「簡易帰化」「大帰化」という3つの制度に分かれています。それぞれの条件や手続き内容が異なり、どの制度で申請できるかによって、必要書類や審査の難易度も変わります。
この記事では、行政書士の立場から3つの帰化制度の違いをわかりやすく整理し、広島県で帰化を検討している方が「自分に最適な手続き」を判断できるように解説します。

3種類の帰化の基本概要

日本の帰化制度は「普通帰化」「簡易帰化」「大帰化」に分類されます。多くの外国人が利用するのは普通帰化ですが、それぞれ目的や対象者が異なります。

日本国籍を取得するには、国籍法に基づいた手続きを行う必要があります。日本の帰化制度は以下の3種類です。

種類対象者・特徴申請者許可の可能性
普通帰化一般の外国人が対象。7つの条件を満たす必要あり申請者本人条件次第で不許可もあり
簡易帰化日本とのつながりが深い人(日本人の配偶者、特別永住者など)申請者本人許可されやすい
大帰化日本国に特別な功績のある外国人が対象。国の側から推薦不要(政府判断)事実上ほぼなし

普通帰化と簡易帰化は、法務局への申請によって進められます。申請内容によっては不許可となることもありますが、法務局や行政書士のサポートを受けることで審査通過率を高められます。
一方、大帰化は政府からの特別な要請によって行われるため、一般の外国人が利用できる制度ではありません。

広島県で帰化を希望する場合、申請先は「広島法務局国籍課」が窓口となります。地域によって面接や書類の扱いが微妙に異なるため、まずは事前相談を行うことをおすすめします。

普通帰化とは? 一般的な申請ルート

最も多くの外国人が利用するのが「普通帰化」です。ここでは、帰化条件として定められている7つの要件を整理し、それぞれのポイントを解説します。

普通帰化は、日本で安定した生活を送り、社会に適応していることを前提に審査されます。主な条件は次の7つです。

要件内容
住居要件引き続き5年以上、日本に合法的に居住していること(うち3年以上は就労を伴う居住)
能力要件成人(18歳以上)であること。未成年者は親の申請で可
素行要件納税義務を果たし、犯罪歴がないこと。交通違反も審査対象になる場合あり
生計要件安定した収入があり、経済的に自立していること(貯金よりも安定収入が重視)
喪失要件母国の国籍を離脱できること(二重国籍の禁止により必須)
思想要件反社会的勢力に属さず、日本の法秩序を尊重すること
日本語要件日本語で日常会話・読み書きができること(目安は日本語能力試験N3程度)

特に「素行要件」と「生計要件」は審査で重視されるポイントです。税金・年金・保険料の未納があると不許可の原因になります。
また、母国の法律により国籍離脱が難しいケース(例:兵役義務のある国)では、帰化許可が下りにくいこともあります。

広島県では、製造業や介護・建設など多様な業種で外国人が働いており、「就労実績5年以上+安定収入あり」という条件を満たす方が増えています。これらを客観的に証明できる書類(源泉徴収票・在職証明書など)をそろえることが重要です。

簡易帰化とは? 家族・在日関係者が対象

日本との関係が深い外国人に認められているのが「簡易帰化」です。普通帰化に比べて要件が緩和されており、手続きの進行も比較的スムーズです。

簡易帰化は、国籍法第6条〜第8条に基づく制度で、普通帰化よりも条件が一部免除されます。対象となる主なケースは以下の通りです。

対象者免除・緩和される要件
日本人の配偶者住居要件が「日本在住3年以上または婚姻後3年以上」へ短縮
日本人の子ども・養子年齢や生計要件が緩和される
特別永住者(在日韓国・朝鮮籍など)素行要件・生計要件が中心に審査され、その他は免除傾向
日本で出生した外国人住居要件の年数が短縮される

ただし「簡易」という名称でも、実際の手続きが簡単という意味ではありません。提出書類は20種類を超える場合もあり、家庭構成や国籍履歴に応じて追加資料を求められます。
また、母国での国籍離脱が必要な点は普通帰化と同じです。
広島県内では、国際結婚や在日韓国人の方からの相談が多く、「簡易帰化できる条件か知りたい」というお問い合わせが増えています。申請可否の判断には、家族構成・婚姻歴・在留期間などの個別確認が欠かせません。

大帰化とは? 特別な功績者に限られる制度

3つ目の「大帰化」は、一般の外国人にはほぼ関係のない特別な制度です。国の推薦により、功績のある人物に国籍を与える仕組みです。

大帰化は、国籍法第9条に定められた制度で、日本国に顕著な功労をもたらした外国人に対し、政府が「ぜひ日本国籍を与えたい」と判断した場合に適用されます。
この場合、申請者からの手続きは不要で、内閣が国会の承認を得て決定します。

これまで実際に大帰化が認められた事例はありません。日本は極めて慎重な姿勢を取っており、どのような「功績」が該当するのか明示されていません。
そのため、一般的な帰化希望者が大帰化を意識する必要はありません。

とはいえ、国籍法上に存在する制度として知っておくことは意義があります。「日本国に特別な貢献をした人に対して、国家が国籍を授与する」という考え方は、日本がいかに国籍制度を慎重に運用しているかを示しています。

まとめ

日本の帰化制度には、「普通帰化」「簡易帰化」「大帰化」の3種類があります。
多くの外国人は「普通帰化」または「簡易帰化」に該当しますが、それぞれ必要な条件や手続き内容が異なります。
特に、住居年数・婚姻状況・生計の安定性は審査の重要なポイントです。
また、書類収集や面接などの過程で時間がかかるため、事前準備と専門家のサポートが欠かせません。

広島県では、広島法務局を中心に帰化相談窓口が設けられており、行政書士による申請サポートも活発に行われています。
「自分がどの手続きに当てはまるのか分からない」「申請書類を揃える時間がない」という方は、専門の行政書士に相談することで、スムーズかつ確実な帰化申請が可能になります。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター

https://hiroshima-visa.link/permanent/
広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター

https://eightlinks.link/work/
広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター

https://hiroshima-visa.link/businessmanagement/
広島帰化申請代行センター

https://hiroshima-visa.link/naturalization/

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所 「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター https://hiroshima-visa.link/permanent/
広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター https://eightlinks.link/work/
広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター https://hiroshima-visa.link/businessmanagement/
広島帰化申請代行センター https://hiroshima-visa.link/naturalization/