帰化許可後に必要な手続きまとめ|戸籍・国籍・パスポートの変更など

帰化が許可されると、まず官報(日本政府が発行する公的刊行物)に氏名・住所が掲載されます。
この「官報掲載日」が、法的に日本国籍を取得した日(効力発生日)です。

官報は「インターネット版官報」(官報検索サービス)で過去30日分を無料閲覧できます。帰化許可が掲載されていれば、正式に許可が下りた証拠となります。

その後、広島県に居住する方の場合は広島法務局 国籍課(広島市中区上八丁堀6-30)から電話または郵送で通知が届きます。通知書を持参して法務局へ行くと、「帰化者身分証明書(国籍取得証明書)」を受け取れます。

これにより、法務局での一連の帰化審査手続きは完了します。
ただし、この段階ではまだ日本の戸籍に登録されていません。
次に紹介する「帰化届」を提出し、自治体が国籍変更を正式に記録することで、日本人としての法的地位が確定します。

1か月以内に必須!役所での「帰化届」提出

帰化許可後、最も重要な手続きが「帰化届」です。提出期限を過ぎると過料の対象になることもあります。

帰化届とは、日本国籍を取得したことを市区町村に報告する手続きです。
戸籍法第102条の2に基づき、官報掲載日を含めて1か月以内に提出しなければなりません。

提出先は、住民登録のある自治体(例:広島市役所・福山市役所・東広島市役所など)です。
必要書類は以下の通りです。

必要書類内容注意点
帰化許可通知書法務局から交付されたもの原本を持参
身分証明書在留カードや特別永住者証明書返納前でも使用可
印鑑本人・配偶者のものシャチハタ不可
配偶者の署名日本人配偶者がいる場合同行または事前署名可

提出後、役所で日本の戸籍が新たに作成されます
この作成には2週間前後かかるのが一般的で、完了すると戸籍謄本が取得できるようになります。
戸籍ができたら、パスポートや免許証、金融機関口座などの変更手続きを進めましょう。

パスポート・免許・口座などの氏名・本籍変更

戸籍作成後は、日本国民としての身分証明書類を整えましょう。パスポートや免許証の更新も必要です。

まずは日本国籍としてのパスポート申請です。
戸籍が完成してから申請可能で、申請時には戸籍謄本・本人確認書類・写真が必要です。

日本のパスポートは世界でも渡航自由度の高い旅券として知られています(2024年Henley Passport Indexでビザ免除国・地域194)。
広島県内では以下の窓口で申請できます。

窓口名所在地
広島県旅券センター〒730-0011 広島県広島市中区基町9−32
東広島市パスポート窓口東広島市役所 市民課(本館1階)

次に、運転免許証の氏名・本籍変更を行います。
広島県運転免許センター(安佐南区大塚)または最寄り警察署で手続き可能です。
また、銀行口座・クレジットカード・携帯電話契約・賃貸契約など、すべての名義を新しい氏名に統一しましょう。

在留カード・特別永住者証明書の返納

帰化後は外国人ではなくなるため、以前の身分証明書(在留カード等)を返納する義務があります。

日本国籍を取得すると、在留カードや特別永住者証明書の効力はなくなります。
これらは14日以内に返納する義務があります。

種類返納先返納方法備考
在留カード地方出入国在留管理局(入管)窓口または郵送郵送先例:東京出入国在留管理局おだいば分室(〒135-0064 東京都江東区青海2丁目7-11)
特別永住者証明書住民登録地の市区町村役場窓口返納広島市・呉市・福山市などで対応

郵送の場合は、封筒の表に「在留カード返納」と明記してください。
期限(14日以内)を過ぎると、入管法第22条の5に基づき5万円以下の過料対象になる場合があります。

帰化届と同時に市役所で返納できる場合もあるため、窓口で確認しておくと効率的です。

旧国籍の離脱手続き(重要ポイント)

日本では二重国籍が原則として認められません。帰化後は母国の国籍離脱を行うことが望まれます。

帰化によって日本国籍を得た後は、旧国籍の離脱(喪失)手続きが必要になる場合があります。
ただし、これは国によって大きく異なります。

国・地域帰化後の扱い手続きの必要性
韓国帰化した時点で国籍喪失事由に該当。ただし在外公館へ「国籍喪失届」を提出する必要あり。必須(未届だと記録上二重国籍状態に)
中国中国国籍法第9条により、日本国籍を取得した時点で自動喪失。原則不要(ただし旅券・戸籍の整理は各当局へ)
フィリピン・ベトナムなど原則として「国籍離脱申請」が必要。大使館・領事館で確認を推奨

「1〜2年で自動的に除籍される」という一般論は誤りです。
母国によっては手続きを怠ると「二重国籍」とみなされることもあります。
トラブル防止のため、必ず各国大使館・領事館で正式な離脱手続きの有無を確認してください。

広島県での相談・サポート窓口

手続きに不安がある場合、広島県には外国人の帰化後サポートを行う機関があります。

広島県では、外国人や帰化者を支援する窓口が複数設けられています。

機関名主なサポート内容所在地
広島法務局 国籍課帰化届・身分証明書の相談広島市中区上八丁堀6-30
広島国際センター(HIC)外国人生活相談(多言語対応)広島市中区中町8-18
広島県行政書士会帰化・国籍離脱・名義変更サポート県内各地に会員事務所

また、東広島市・呉市・三原市などの自治体でも「外国人支援コーナー」が設置されています。
行政書士に依頼すれば、書類の翻訳や提出書類のチェックも含めてトータルで支援を受けられます。

まとめ

帰化許可後の手続きは「終わり」ではなく、「新しい国籍での生活を始める準備期間」です。
最初の1か月で行うべき主な流れは次の通りです。

期限手続き内容
官報掲載後1か月以内帰化届(戸籍作成)
帰化後14日以内在留カード・特別永住者証明書返納
戸籍作成後すぐパスポート・免許・口座名義変更
各国規定により随時国籍離脱(母国大使館で確認)

広島県では、法務局・行政書士・国際センターが連携して、帰化後の相談を幅広く受け付けています。
書類の準備や翻訳が不安な場合は、専門家の支援を活用することで、確実かつ安心して日本での新生活をスタートできます。

広島帰化サポートセンターでは、帰化後のチェックリストや名義変更サポートも提供しています。
不安を感じたら、まずは無料相談から始めましょう。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
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