外国人の子どもの在留資格の取得方法を解説します
外国人の子どもが、日本の在留ビザを取得するには?
日本の在留資格がある外国人の方の中には、子どもも一緒に日本で生活することを望んでいる方もたくさんおられます。
外国籍の子どもが日本に滞在に中・長期的に滞在するためには、どのようなビザを取得する必要があるのかを解説していきます。
親のどちらかがが日本人である場合
両親のどちらか片方が日本人なら、その子どもは日本の法律(国籍法)によって、産まれたときから日本人となります。
その子どもが産まれた時点で両親が離婚していても、父親や母親が明らかで、どちらか片方が日本人なら、その子どもも日本人です。
父親と母親が結婚せずに産まれた子ども、たとえば、父親が日本人で外国人の母が未婚のまま子どもを産んでも、父親がその子どもを20歳にならないうちに認知すれば、子どもは日本人となります。
子どもが日本人なら、ビザを取らなくても当然、日本に住み続けられます。
ケースによっては、その子どもには、「日本人の配偶者等」もしくは「定住者」の
在留資格が与えられて、日本に在留が可能になる場合があります。
親のどちらかが日本人でも、子どもが外国籍である場合
例外的な場合となりますが、親のどちらかが日本人でも、外国人の幼い子ども(6歳未満)を養子に迎えているとき、その子どもが日本人になるわけではありません。
その場合は、「日本人の配偶者等」の在留資格を取らなければなりません。「等」の中に子どもも含まれるのです。※特別養子に限る。
注意)実務上、「日本人の配偶者等」や「定住者」などのいわゆる身分系の在留資格を取得する目的で特別養子以外の養子(普通養子)にするために縁組をしても、ビザの取得に関して有利に働くことはありません。
また、子どもが産まれた日から30日以内に、出入国在留管理局へ「在留資格取得許可」の申請を行えば、正式に在留資格を取ることができます。
実務上、30日を超えても在留資格は付与されますが、30日以内に在留資格の申請をすることで、永住者の子どもである場合は、最初から「永住者」の在留資格が許可されますが、出生から31日以上が経過してから、在留資格の申請をすると、「永住者の配偶者等」の在留資格が許可されることとなります。
子どもが生まれたら、特に永住者の方は子どもの在留資格を早めに申請することをお勧めします。
子どもが生まれた後、60日を超えて、在留資格を申請しない場合は、その子どもの出生届を提出した市区役所で暫定的に作成されていたその子の「住民票」が抹消され、法律的にいわゆる不法滞在(オーバーステイ)の状態になります。
そうなると、在留特別許可という特別な申請を入管庁に対して、行い、それが、許可されると、該当する在留資格Ex.「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」、「家族滞在」、「特定活動」などの申請が行えることなり、入管庁から上記在留資格のいずれかが与えられると、「住民票」の再作成を区役所に対して依頼することが可能となります。
日本人と違い、出生届を提出するだけでは、あとで本当に大事になります。
弊所でもこのような状態になってしまったお客様の支援をすることが実際に何度かありましたので、皆さまはこんなことにならないように本当に気をつけてくださいね。
親のどちらかが「永住者」である外国人である場合
まず、外国人同士が結婚して、子どもが産まれたとき、その子どもは日本人になりません。その子どもが成人してから帰化して日本国籍を取るかどうか判断する問題となります。
ただ、結婚している外国人夫婦のうち、少なくともどちらかが、永住者としての資格を持っているのであれば、その間にできた子どもには「永住者の配偶者等」としての在留資格を取得させることができます。
子どもが産まれた日から30日以内に、出入国在留管理局へ「在留資格取得許可」の申請を行えば、正式に在留資格を取ることができます。
もしも、何らかの理由で永住者としての資格を失った場合でも、子どもは「永住者の配偶者等」として日本に住み続けることができます。これは大きなメリットといえるかもしれません。
ただ、「永住者の配偶者等」の在留資格は、日本に住み続けていることで維持されます。子どもがいったん日本を離れて海外で暮らしている間に、在留期間が切れてしまった場合、再び「永住者の配偶者等」の在留資格を得ることはできませんので、ご注意ください。
1年以内に日本に再入国する場合は、「みなし再入国制度」というものがあり、何ら特別な手続きは必要ありませんが、日本を出国して1年以上、日本に再入国しなかった場合は、保有していた在留資格は在留期限に関係なく失効してしまいます。
日本から1年以上の出国が予定されている場合は、入管庁から「再入国許可」を取ってから、出国するようにしましょう。そうすれば、5年間以内に再入国すればよいこととなっています。
親のどちらかが永住者で、子どもが海外から来た場合など
結婚している外国人夫婦のうち、少なくともどちらかが永住者としての資格を持っていて、海外で子どもを産み、その子どもを連れて日本に来る場合、その子どもには「定住者」としての在留資格が与えられます。
結婚している外国人夫婦が国内で子どもを産み、その後、どちらかが帰化して日本国籍を取ったり、永住者としての資格を取得したりした場合も、その子どもは「定住者」として日本に在留できます。
また、先ほど紹介したような、「永住者の配偶者等」の在留資格を持っていたけれども、いったん日本を離れ、海外暮らしかが長くて在留期間が切れてしまった子どもの場合は、再入国するとき、永住者の配偶者等の代わりに、「定住者」としての在留資格が与えられるルールとなっています。
就労ビザや留学ビザで日本に暮らしている外国人夫婦の場合
もし、日本国籍や永住資格などを持たない、一般的な外国人夫婦が日本国内で子どもを出産し、一緒に日本に住むことを希望する場合、子どもは在留資格「家族滞在」取得して、日本に居住することとなります。
子どもが産まれた日から30日以内に、出入国在留管理局へ「在留資格取得許可」の申請を行えば、正式に在留資格を取ることができます。
ただし、出産後60日以内に、子どもを連れて海外で生活するつもりであれば、家族滞在ビザを取得する必要はありません。
外国人シングルの親が、別の外国人と結婚した場合
いわゆる「連れ子」の在留資格の問題です。
シングルマザー・ファーザーだった外国人が就労ビザで日本に滞在し、収入を得ていた場合、その子どもは家族滞在ビザを取得できます。
ただ、日本で就労ビザを持っている外国人が、子どもを持つシングルの外国人と海外で結婚し、日本に連れてくる場合は、子どもらが家族滞在ビザを取得するためにはいくつか条件があります。
・就労ビザを持つ外国人が、子どもと養子縁組をしていること(血縁はともかく、法的な親子関係があること)
・就労ビザを持つ外国人が、結婚相手とその子どもを自分の収入で扶養するつもりであること
もし、子どもと養子縁組をしていない場合は、「特定活動ビザ(告知外)」を取得することも場合によっては可能です。
Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月 VISA専門行政書士事務所 「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし、年間500件以上の相談に対応
【講師実績】
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
【運営HP】
広島外国人ビザ相談センター https://hiroshima-visa.link/
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