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在留資格を持つ外国人が家族を日本に呼び寄せるための方法を解説します

在留資格を持つ外国人が家族を日本に呼び寄せるには?

日本に住んでいる外国人が、自分の家族を日本へ呼び寄せたいこともあるでしょう。

しかし、家族を日本に滞在させるには、何らかの在留資格・ビザを取得しなければなりません。

では、どのような在留資格を申請すればいいのでしょうか。

ここでは、日本に在留している外国人が自分の家族を呼ぶ場合の在留資格について、さまざまな場面に分けながら解説しています。

90日以内の滞在で十分な場合

約3カ月以内で、一時的に家族を呼び寄せれば、事足りる場合には、在留資格「短期滞在」で申請すれば問題ありません。

家族だけでなく、友人や知人も呼び寄せることができますし、目的も厳しく問われません。

※ただし、フィリピン人の未婚の若い女性で日本に親戚も居ないようなケース等では、過去の不法就労が多かった歴史背景等から短期滞在であってもビザを取得することが困難なケースもあります。

観光や保養の目的でも、家事や育児の用事でも、ビジネス目的でも、結婚披露宴に招く場合でも、しっかりとした理由と計画性が有ればビザを申請がすることがかのうです。

さらにいえば、ビザ免除措置国または地域のパスポートを所持していれば、短期滞在ビザの申請すらも必要ありません。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/tanki/novisa.html

(※2021年5月現在、新型コロナウイルス感染症の流行拡大の影響で、ビザ免除措置は一時的に停止されています)

ビザ免除措置国・地域から日本にやってくる場合、90日までビザは不要です。ただし、例外として、インドネシア・タイは「15日」まで、ブルネイは「14日」まで、アラブ首長国連邦は「30日」までなど、滞在可能期間が短縮されている場合もあります。

また、ペルーやコロンビアなど、いちおうビザ免除措置国に指定しているものの、すんなりと入国するため、念のために短期滞在ビザを取得しておいたほうがいい場合もあります。

次に、3カ月を超えて家族を日本に招きたい場合について説明していきます。

結婚相手(配偶者)や、その子どもであれば、次のような方法があります。

永住者や定住者が、その家族を日本に招く場合

日本に居住する外国人が、永住者・特別永住者・定住者、いずれかの在留資格を持っている場合、その夫・妻・子どもは、「永住者の配偶者等」や「定住者」としての在留資格を取得できる場合があります。

永住者の配偶者等」や「定住者」であれば、最高5年の在留期間が認められ、他に「3年」「1年」「6カ月」、いずれかの在留期間が指定されます(定住者は、このほか、法務大臣が特別に指定した在留期間となる場合もあります)。この在留期間は、後で更新して、さらに日本に長く滞在することも可能です。

ここでいう配偶者は、法律上の届出を完了させている婚姻関係の相手方でなければなりません。いわゆる内縁関係(事実婚・パートナーシップ)である場合は、認められません。

ただし、特に夫や妻が「永住者の配偶者等」の在留資格を取ろうとする場合、日本で住むことだけを目的にした偽装結婚でないかどうかが、出入国在留管理庁から厳しく審査されます。交際・結婚していることを示す旅行先の写真や、メール・SNSメッセンジャーなどのやりとりなどを、参考資料として提出しなければなりません。

※詳しくは、弊所の国際結婚のコンテンツをご覧ください。

家族滞在ビザという方法

日本に在留している外国人が、就労ビザを持っている場合、結婚相手(配偶者)やその子どもは、「家族滞在ビザ」を使って日本に呼び寄せることができます。

この場合の子どもは、実子だけでなく、養子も含まれます。

家族滞在ビザであれば、配偶者や子どもには最長5年の在留期間が認められ、他に「3年」「1年」「6カ月」、いずれかの在留期間が指定されます。この在留期間は、後で更新して、さらに日本に滞在することも可能です。

※就労ビザ(本体在留資格)が失効すると、家族滞在ビザは在留期限に関係なく、当然に就労ビザの失効に連動する形で失効しますので、注意してください。

例えば、就労ビザを持っているお父さんは、本国に帰るけど配偶者や子供は日本で引き続き在留するといったことは認められないということです。

なお、家族滞在ビザで入国した配偶者や子どもは、原則として日本で仕事をすることができません。ただし、資格外活動の許可を得ることを条件に、週28時間を上限にアルバイトやパートとして働くことができます。

外国人が、その配偶者や子どものために、家族滞在ビザを取得するための条件は次の通りです。

・外国人に、その配偶者や子どもを日本で扶養する意思と扶養能力(十分な収入や資産)があること

・扶養を受ける側の配偶者や子どもが、扶養を受ける必要があること。または現在、扶養を受けていること

・子どもがおおむね16歳未満であること

16歳以上の子どもを、扶養のために日本に呼び寄せるには、家族滞在ビザの申請のときに、来日の目的や扶養を受ける必要性を明確にする資料を提出したほうがいいです。20歳を超えた子どもですと、扶養目的で日本に呼ぶ必要性が非常に薄いと判断されます。

配偶者や子どものために、家族滞在ビザを取得できる就労ビザ(在留資格)は、次の通りです。

  • 教授
  • 芸術
  • 宗教
  • 報道
  • 経営・経営管理
  • 法律・会計業務
  • 医療
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 企業内転勤
  • 興行
  • 技能
  • 留学
  • 特定技能(2号)

留学は就労ビザではありませんが、特別に配偶者と子どもを日本に呼び寄せるための家族滞在ビザの発行が認められています。

このほか、EPA協定によって、日本で看護師や介護福祉士の仕事をするため研修中のインドネシア人・フィリピン人・ベトナム人にも、家族滞在ビザで配偶者や子どもを日本に呼び寄せることが許されています。

その一方で、文化活動、研修、特定技能(1号)や技能実習の在留資格で日本にいる外国人は、家族を呼び寄せるために家族滞在ビザを取得することはできません。短期滞在ビザで対応しなければなりません。

親を日本に呼ぶには?

外国人の両親を日本に呼び寄せるには、短期滞在ビザで対応しなければなりません。つまり、原則として90日間が、在留期間の上限となってしまいます。

ただし、日本に滞在する外交官・領事官、外国政府関係者は、その「外交」「公用」の在留資格をもとにして、特権的に両親を日本に呼び寄せることができるとされています。

このほか、両親を呼べる可能性がある外国人は「高度専門職」です。

「高度専門職」の在留し持つ外国人の子どもが12歳未満の場合は、その子を養育する手伝いを行うという理由で、親を呼ぶことが認められています。

ただし、両親のいずれかを招聘することはかのですが、両親とも呼ぶことはできません。

例えば、母親(子どもにとっては祖母)に、子どもが12歳になるまで認められる中・長期滞在可能な在留資格が許可された場合、父親(子どもにとっては祖父)は短期滞在ビザで日本に来日するしかありません。

※なお、永住者等の在留資格を保有する外国人が、親と一緒に日本に住むことができる在留資格制度は現状存在しません・

※人道上認められている「特定活動(老親扶養)」は、除く。

なお、高度専門職の配偶者は、パートやアルバイトの仕事だけでなく、特定活動ビザを取って「研究・教育・技術」「人文知識・国際業務」「興行(演劇等は除く)」の業務でフルタイム勤務することが許される場合があります。