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在留期間の更新をするために必要なこととは

日本に滞在する外国人は、必ず何らかの在留資格を持つ必要があります。

在留資格がない外国人は、処罰された上で、母国に強制送還(退去強制)されてしまいます。強制送還後は、再び日本へ入国が認められるためには、非常に厳しいハードルを越える必要が生じる場合もあります。

在留資格には、原則的に有効期間が決められていますので(永住者は除く)、その期間を過ぎた場合も、やはり日本に住み続けることはできなくなります。オーバーステイ(不法在留罪)によって処罰され、やはり強制送還(退去強制)の処分を受けたり、自主出国を促されることとなります。

オーバーステイ(不法滞在)状態になることなく、合法的に日本で住み続けるためには、在留カードに記載されている「在留期限」の3か月前から入管庁に対して更新手続きが行えますので、「在留期間更新許可申請」を行い、入管庁から新しい在留カードの交付を受ける必要があります。

更新の許可がされるためには出入国在留管理局による審査を受けなければなりません。その審査をクリアするため、外国人に求められることとは一体何であるか解説していきます。。

  • 在留期間とは?

身分系の在留資格】

・日本人の配偶者等

・永住者の配偶者等

・定住者

これらの在留資格は、外国人の個別事情によって「5年」「3年」「1年」「6カ月」のうち、いずれかの期間が指定されます(定住者の場合は、別の在留期間を法務大臣が指定する場合があります)。

この在留期間が過ぎる前に、在留資格を更新するか、日本を出るかを決めなければなりません。

ただし、永住者となれば、在留期間は無制限となりますので、文字通り日本に永久的に住み続けることができます。※ただし、7年に一回、新しい在留カードに取り換える必要があります。

活動系の在留資格】

次の就労ビザでは「5年」「3年」「1年」「3カ月」のうち、いずれかの在留期間が指定されます。

  • 教授
  • 芸術
  • 宗教
  • 報道
  • 法律・会計業務
  • 医療
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 企業内転勤
  • 介護
  • 技能

【高度専門職ビザ】

1号は「5年」の在留期間です。

2号は在留期間が無制限となりますので、更新の必要がありません。

【(一部の就労外国人の)家族滞在ビザ】

「5年」「4年3カ月」「4年」「3年3カ月」「3年」「2年3カ月」「2年」「1年3カ月」「1年」「6カ月」「3カ月」のうち、いずれかの在留期間が指定されます。

【経営・管理ビザ】

「5年」「3年」「1年」「6カ月」「4カ月」「3カ月」のうち、いずれかの在留期間が指定されます。

【特定活動ビザ】

「5年」「3年」「1年」「6カ月」のうち、いずれかの在留期間が指定されます(別の在留期間を法務大臣が指定する場合があります)。

【公用ビザ】

「5年」「3年」「1年」「3カ月」「30日」「15日」のうち、いずれかの在留期間が指定されます。

【留学ビザ】

「4年3カ月」「4年」「3年3カ月」「3年」「2年3カ月」「2年」「1年3カ月」「1年」「6カ月」「3カ月」のうち、いずれかの在留期間が指定されます。

【文化活動ビザ】

「3年」「1年」「6カ月」「3カ月」のうち、いずれかの在留期間が指定されます。

【興行ビザ】

「3年」「1年」「6カ月」「3カ月」「15日」のうち、いずれかの在留期間が指定されます。

【研修ビザ】

「1年」「6カ月」「3カ月」のうち、いずれかの在留期間が指定されます。

【特定技能ビザ】

1号は「1年」「6カ月」「4カ月」、

2号は「3年」「1年」「6カ月」のうち、それぞれいずれかの在留期間が指定されます。

【技能実習ビザ】

1号は「1年以内」、2号と3号は「2年以内」の在留期間を、法務大臣が個別で指定します。

【短期滞在ビザ】

「90日」「30日」「15日以内の日を単位とする期間」のうち、いずれかの在留期間が指定されます。

  • 在留期間の更新のため、必要なこととは?

在留期間を更新して、引き続き日本に滞在するためには、出入国在留管理局に対して「在留期間更新許可申請」をしなければなりません。

「在留期間更新許可申請」在留期限の3カ月前から行うことができます。申請を行うには、各種添付書類を用意する必要がありますので、まだ在留期限の満了日まで余裕がある時期から申請準備を行うことをお勧めします。

申請書のほか、証明写真やパスポート、在留カード、などを提出しなければなりません。

ただし、申請を出したからといって、在留期間の更新が許可とは限りません。

更新が許可される場合も不許可にされる場合も、入管庁はある一定の裁量権に基づいてその判断を下しています。裁量というと個々の審査官の気分で審査をしているような印象を受ける方もいるかもしれませんが、法務省(出入国在留管理庁)は「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」を発表しており、次の8項目については、最低限、満たしていなければならないとされます。

【1.行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること】

在留資格が認められている職種で、確かに働き続けているかどうかが問われます。配偶者ビザならば、死別や離婚などで在留資格を失っていないかどうかが審査されます。

【2.法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること】

一部の就労ビザでは、入国時に学歴・実務経験年数・収入額などの上陸許可基準をクリアしているかどうか審査されます。この上陸許可基準を引き続き満たしているかが問われます。

【3.現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと】

活動を辞めずに継続しているかが審査されます。

【4.素行が不良でないこと】

国外への退去強制処分に相当するような違法行為をしていないかどうかが問われます。軽微な交通違反などは、おとがめなしである場合が大半です。

【5.独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること】

生活保護を受けるほど困窮しているなど、公共の負担になっていないかが問われます。ただし、人道上の理由がある場合は、引き続き在留が認められる場合もあります。

【6.雇用・労働条件が適正であること】

日本の労働法規に沿った働き方ができているかが問われます。ただし、適正でない場合はほとんど、企業側の対応に問題がありますから、この条件を満たさないだけで更新が認められないケースは想定しにくいです。

【7.納税義務を履行していること】

脱税などで処罰を受けている場合や、高額の未納・長期間の滞納などが発覚した場合は、更新が認められない場合があります。

【8.入管法に定める届出等の義務を履行していること】

在留カードを紛失した場合や違う会社に転職した場合や、配偶者と離別や死別した場合等、その都度必要に応じた手続きや届出を行っているかが問われます。

在留期間が更新されるかどうかについては、法務省に広い裁量権が認められています。更新が認めらるか不安がある方は、お気軽に弊所にご相談ください。