在留資格「永住者の配偶者等」について詳しく解説
2021.08.14
カテゴリ 永住ビザ
永住者の「配偶者等ビザ」を取得するには?
外国人は基本的に、仕事の職種に応じた就労ビザを取得していなければ、日本に住み続けることはできません。
しかし、外国人が永住資格を取得すれば、在留期間や職種などに制限がなくなり、ほぼ日本人と同じ暮らしを送ることができます(選挙での投票や立候補など、日本国籍がなければできない活動を除きます)。
そして、その永住資格を持つ外国人と結婚した外国人もまた、「配偶者ビザ」で日本に住み続けることができるのです。
在留期間は、最大5年で、他に3年・1年・6か月があり、申請の案件ごとに入国管理局が、総合的な判断の下に決定します。在留期間が満了する3か月前から在留期間を更新し、さらに滞在期間延長させることもできます。
配偶者ビザを発行するかどうかの審査期間は、およそ1~3か月ほどです。
- 結婚相手となる「永住者」と「特別永住者」とは?
まずは、結婚相手である外国人が「永住者」や「特別永住者」であることを改めて確認してください。
外国人が「(一般)永住者」となるためには、日本国内に原則として10年以上継続して在留し、加えて次の3つの要件を満たしていなければなりません。
(1)素行が良好であること
(2)独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
これら3つの要件をクリアすれば、在留資格「永住」の在留カードが発行されます。
過去の素行や資産など、深いプライベート情報を調べられるので、外国人が永住者の資格を得るためには、かなりの覚悟が必要かもしれません。
※要件は上記以外にも色々あります。
なお、結婚している間に、外国人夫婦のどちらかが永住者となった場合にも、その配偶者は「永住者の配偶者等ビザ」の発行を受けることができます。
一方で、「特別永住者」は、日本の過去の歴史と深い関係があります。
第二次世界大戦(1945年終戦)の前から、日本の領土内に暮らしていた韓国・朝鮮人、台湾人について、1991年に制定された出入国管理特例法によって、永久の在留資格を認められている場合のことです。
特別永住者としての外国人には「特別永住者証明書」が発行されます。
- 配偶者ビザを取得するメリット
合法的に日本国内に住み続けられることの他、配偶者ビザには次のような3つのメリットがあります。
【1.将来、永住者資格を取るための足がかり】
外国人が日本に永住する資格を取るためには、原則として日本に10年以上住み続けなければなりません。
しかし、永住者の配偶者ビザを取っている外国人なら、婚姻関係が3年以上継続していて、かつ1年以上日本に在留していることが原則となります。つまり、永住者資格を取るための条件のひとつが大きく緩和されるのです。
配偶者ビザを2~3回ほど更新すれば、日本に10年以上滞在することができますから、自分自身も永住者ビザを取得するための準備として、配偶者ビザを利用するのは有効です。
※永住資格を取得する条件は在留期間だけではなく、実際には他にも色々な条件をクリアする必要があります。
【2.働くための制限がない】
一般的に、外国人が日本で働くには、業種ごとに制限された「就労ビザ」を取得していなければなりません。就労ビザで認められた業種以外で仕事をすると、不法就労として処罰されたり、本国へ送還されたりするおそれがあります。
その一方、「永住者の配偶者等ビザ」には、仕事の制限や、年齢の制限は特にありません。
配偶者ビザを取っていれば、どんな仕事にでも就くことができるのは大きなメリットです。
【3.永住者資格を取る場合と比べて、プライベート情報を詮索されないこととされているが・・・・】
永住者の配偶者としてビザを取得するためには、先に説明した3つの要件を満たさなければなりませんが、永住者の配偶者ビザを取得するのであれば、(1)(2)の要件は免除され、「(3)その者の永住(在留)が日本国の利益に合すると認められること」の要件のみを満たせばいいとされていますが、実際はプライベートな部分もしっかり審査されています。
ですから、日本に住む外国人が永住者・特別永住者と結婚することには、日本に住み続ける上で、相当大きなメリットがあるといえるのです。
ただし、自分自身の資産情報を明かさない代わりに、結婚しようとしている永住者が、安定した収入を得ていることを証明する必要があります。富豪・資産家であることよりも、「収入の安定性」のほうが重視されますので、永住者が大企業の会社員であれば有利となります。永住者の収入が比較的少ない場合には、配偶者ビザが取得できるかどうか、審査が厳しくなるおそれもありますので、その場合は弊所にご相談ください。
そして、もう一つの注意点。
永住者・特別永住者と真実の結婚しているのかどうか、しっかりとした証拠を入管庁に提出しなければならない場合も多いです。交際している事実を示す写真やメール・LINEなどのやりとりの提出を求められることもありますので、その限度ではプライベートを日本国に探られることを受け入れなければなりません。
これだけ厳しいのは、ビザほしさの「偽装結婚」が横行しているからです。入管庁に偽造結婚を思われないよう、できるだけ先回りして交際や結婚の証拠を示すようにしてください。
Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月 VISA専門行政書士事務所 「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし、年間500件以上の相談に対応
【講師実績】
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
【運営HP】
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