永住ビザが取り消されるのはどんな時?許可後に注意すべきポイントを解説

せっかく苦労して取得した永住ビザ(永住許可)も、実は「永遠の資格」ではありません。虚偽申請や長期の海外滞在、法令違反などがあれば、取り消し・失効の対象になることがあります。特に日本で長く生活基盤を築いている方にとって、永住資格の喪失は生活や就労に大きな影響を与える問題です。本記事では、永住ビザが「取り消される」「失われる」主なケースを整理し、広島県で実際に多い相談傾向や注意点も交えて解説します。リスクを避けるために、今できる対策を一緒に確認しましょう。

永住ビザが「失われる」ケースとは?|再入国制度の期限切れに注意

まずは、永住ビザを持っていても自然に「失われてしまう」ケースです。最も多いのは、長期間日本を離れたまま戻らない場合です。制度の基本を押さえましょう。

永住者は、原則として日本を離れるときに「再入国許可」または「みなし再入国許可」を得る必要があります。
出入国在留管理庁によると、再入国許可制度は「一時的な出国の際に、在留資格を保持したまま帰国できる制度」です(出典:法務省入管庁)。

再入国許可を得て出国しても、有効期限までに日本に戻らなければ資格は自動的に失効します。また、みなし再入国許可で出国した場合は「1年以内に再入国すること」が条件です。期限を過ぎれば、永住資格は消滅してしまいます。

【広島県での注意点】
広島出入国在留管理局(南区比治山町)によると、「みなし再入国の期限を過ぎて帰国できなくなった」という相談が2023年にも複数件寄せられました。コロナ禍や家族介護など、やむを得ない事情で帰国が遅れることもありますが、その場合は出国前に通常の再入国許可を申請しておくことが重要です。

出国時の状況永住資格の扱い対応策
再入国許可なしで出国出国時点で失効必ず事前申請を
再入国許可あり・期限内帰国継続有効問題なし
再入国許可あり・期限超過自動失効期限管理を徹底
みなし再入国で1年超過自動失効延長は不可

出国前には必ず有効期限を確認し、必要に応じて「再入国許可」を取得しておきましょう。

永住ビザが「取り消される」ケースとは?|在留管理や法令違反に注意

「失効」とは別に、行政処分として「取り消し」になるケースもあります。永住許可を取り消される典型的な事例を確認しておきましょう。

永住許可の取り消しは、出入国在留管理庁が「永住を認める前提条件を欠いた」と判断したときに行われます。主なケースは次の通りです。

取り消しの理由具体例対応策
不正取得申請時に虚偽の情報を提出した申請内容の整合性を常に保つ
住所届出義務違反引っ越し後90日以内に届出をしない転居時は速やかに役所で手続き
虚偽の住所届出実際に住んでいない住所を登録虚偽申請は厳重に処分される
刑事処罰・退去強制薬物犯罪・重大な刑罰など日本の法令遵守を徹底
了解書違反永住許可後に申請時条件を変更し報告しない変更があれば速やかに入管へ報告

たとえば、永住許可時に提出した「納税証明」「雇用証明」が、後に虚偽であることが発覚した場合、取り消しの対象になります。
また、在留カードやマイナンバー上の住所を虚偽で届け出た場合も、法務省令違反として実際に取消処分が行われています。

【広島県での実例】
広島市内では、転居後に市役所での住民登録だけ済ませ、入管への住所変更届を忘れていたというケースがよくあります。日本人なら行政処分に至りませんが、外国人の場合、在留資格そのものの取消対象になるため注意が必要です。

犯罪や重大な違反による取り消しのリスク|「知らなかった」では済まされない

永住資格を持つ外国人も、日本の法令に従う義務があります。特に刑事事件や重大な違反行為がある場合、永住許可が自動的に失われることがあります。

永住許可を持つ外国人が「退去強制」の対象となる場合、永住資格は取り消されます。退去強制の典型例として、以下のような行為が挙げられます(出典:出入国管理及び難民認定法第24条)。

  • 懲役または禁錮1年以上の刑に処せられた場合
  • 覚醒剤取締法・入管法違反などの犯罪で有罪判決を受けた場合
  • 偽装結婚や不法就労助長などの重大な入管法違反

永住資格は「一定の信用」に基づく許可であるため、法令違反や犯罪行為があると、その前提が崩れます。刑罰を受けた外国人の中には、再度ビザを取り直すことができないケースも少なくありません。

【広島県の現状】
広島県警の統計によると、2023年の外国人刑法犯の検挙件数は約230件で、前年より微増傾向にあります(出典:広島県警察「犯罪発生状況」)。こうしたデータからも、法令遵守が永住資格の維持に直結していることがわかります。

永住資格を守るための実践チェックリスト

ここまで紹介した取り消し・失効リスクを踏まえ、永住者が日常的に気をつけるべきポイントをまとめました。これらを守ることで、トラブルを未然に防げます。

チェック項目内容頻度
転居届を入管へ提出引っ越し後90日以内引っ越しごとに必ず
納税証明・住民税確認納税義務の履行確認年1回以上
犯罪歴の確認・交通違反注意罰金刑も在留審査に影響常時
再入国許可の管理期限を1ヶ月前に再確認出国前
永住許可内容の変更報告家族構成・勤務先変更時状況に応じて

特に永住許可後に「勤務先が変わった」「離婚した」「家族が増えた」などの状況変化があった際、入管への報告を怠ると取消リスクが高まります。
また、納税遅延や健康保険料の未払いも、将来的な在留資格更新や再申請の際に不利となるため、日頃から帳簿・証明書の整理を心がけましょう。

広島県では、広島市国際交流協会や「ひろしま国際センター」が、外国人住民向けの無料相談(多言語対応)を実施しています。制度に不安がある場合は、こうした公的窓口を早めに活用しましょう。

まとめ|「永住=一生安泰」ではない。日常管理が最大の防止策

永住ビザを持つことは、日本で安定した生活を送る大きな一歩ですが、資格を維持するためには「法令遵守」「期限管理」「正確な届出」が欠かせません。特に、広島県のように外国人住民が増えている地域では、行政・入管ともに在留情報の正確な把握を重視しています。

「知らなかった」では済まされない在留資格の取り消しリスク。日々の生活の中で、転居・納税・再入国の手続きなどを怠らずに行うことが、最も確実な防止策です。

当事務所では、広島県内で永住許可の申請・更新・取り消しリスク対策の相談を行っています。
「手続きが複雑で不安」「うっかりミスで取り消されないか心配」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの永住資格を、確実に守るためのお手伝いをいたします。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
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蜂須賀 昭仁

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