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上陸審査と上陸許可基準について

2021.08.14

カテゴリ 在留資格の手続きの種類

審査されない外国人もいる! 入国時の「上陸許可基準」とは?

 

 

外国人の方が日本で仕事をするには、就労ビザ(就労系の在留資格)を取得する必要がありますが、具体的には、実際に入国する前に、出入国在留管理局から「在留資格認定証明書」を取得する必要があります。「在留資格認定証明書交付申請」を行うには用意しなければならない添付書類も多く、申請書類の準備がうまくできない場合は、申請後に出入国在留管理局から相当な量の追加書類の提出を求められたり、場合によっては、入管庁から「在留資格認定証明書交付申請」に対して不交付の決定の通知をうけることもあります。

 

申請によっては、申請からビザの取得まで、半年以上かかってしまうことも珍しくありませません。思い通りのスケジュールで進まずに、イライラさせられる方も多数おられるのが現状です。

 

外国人が就労ビザを取得して、日本で滞在しようとするにあたって、日本の出入国管理当局が行う審査は、おもに次の通りです。

 

・【在留資格認定証明書交付申請】……海外に在住している外国人が、申請した在留資格に適合した仕事を確かに日本で行うつもりであることを確認する手続き

 

・【上陸許可基準の審査】……日本で働くためのさまざまな条件をクリアしているかどうかを確認する手続き

 

実は就労ビザの種類によっては、「上陸許可基準」が免除され、在留資格の認定のみの審査で入国が認められる場合があるのです。

 

この記事では、上陸許可基準が課されている就労ビザの種類と、その具体的な内容について解説しています。

 

 

■上陸許可基準が課される就労ビザ、課されない就労ビザ

 

就労ビザの中でも、在留資格の認定だけでなく「上陸許可基準」の審査も課されるものは、次の通りです。

 

  • 高度専門職(1号)
  • 経営・管理
  • 法律・会計業務
  • 医療
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 企業内転勤
  • 介護
  • 興行
  • 技能
  • 特定技能
  • 技能実習
  • 留学
  • 研修
  • 家族滞在

 

以上の就労ビザを取得しようとする外国人は、入国前に、上陸審査基準を満たしているかを判断するための資料の提出を求められる場合があります。

 

その一方、在留資格の適合性だけが審査されて、上陸許可基準が課されない就労ビザは、次の通りとなっています。

 

・高度専門職(2号)

・外交

・公用

・教授

・芸術

・宗教

・報道

 

以上の在留資格であれば、ビザの発行が比較的早まる可能性があります。

 

 

■上陸許可基準の具体的な内容

 

上陸許可基準の審査では、おおまかには次の事柄が検討されます。

 

【職場の安定性】…… 勤め先の会社の規模や事業内容など

【業務の継続性】…… 勤め先の会社の業歴や実績、納税状況など

【人材の必要性】…… 勤め先の会社が、語学力や実務経験などの面で、外国人を雇用する受け皿となる業務があるか

【能力の信憑性】…… 学歴、過去の成績や出席率など、外国人が日本で働き続けられるだけの能力の裏付けがあるか

 

おもな就労ビザの種類ごとに、上陸許可基準の内容の一例について、概略的に紹介します。

 

 

<経営・管理>

・本拠となる事業所が確かに日本国内にある。

・2人以上の常勤スタッフを雇用する事業規模がある。

・設立する会社の資本金の額が500万円以上に設定されている。

・事業の経営または管理について3年以上の経験(大学院において経営または管理に係る科目を専攻した期間を含む)があり、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

 

<法律・会計業務>

日本国内で、弁護士・司法書士・土地家屋調査士・外国法事務弁護士・公認会計士・外国公認会計士・税理士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士・行政書士としての業務に従事すること。

 

<医療>

・日本国内で、医師・歯科医師・薬剤師・健康師・助産師・看護師・准看護師・歯科衛生士・診療放射線技師・理学療法士・作業療法士・視能訓練士・臨床工学技士・義肢装具士としての業務に、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けて従事すること。

・歯科医師や看護師などは、一定年数以上の研修を日本国内で受ける見込みであること。

 

<教育>

・大学を卒業し若しくはこれと同等以上の教育を受け、教員免許を持っている。

・日本国内で外国語教育をしようとする場合は、その外国語によって12年以上の教育を受けていること。

・日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。

 

<興行>

演劇・演芸・歌謡・舞踊・演奏の興行に係る活動に従事しようとする外国人で、いずれかの条件に該当している。

・外国の公的・民間の機関が認定した芸能系資格を持っている。

・外国の教育機関で2年以上、芸能系の学問を専攻した。

・外国で2年以上の芸能活動経験がある。

・興行の報酬が1日500万円以上。

 

そのほか、テレビ、ラジオ、舞台等で一定以上の規模の活動を行い、一定以上の報酬を得ること。風俗関連の活動をしないこと。

 

 

<技能>

・外国料理、外国特有の建築工学や土木、外国製品の製造や修理、宝石・貴金属・毛皮の加工、動物調教、海底掘削や調査について10年以上の実務経験などがある、各業界の外国人技能者

・航空機の操縦に係る技能について1000時間以上の飛行経歴がある外国人パイロット

・スポーツの指導に係る技能について3年以上の実務経験があり、選手としてもオリンピック大会、世界選手権大会その他の国際的な競技会に出場したことがある外国人スポーツ指導者

・ワインの品質鑑定、評価、保持、提供に関して5年以上の実務経験などがあり、コンクールなどで優秀な成績を収めた外国人ソムリエ

 

<留学>

・日本の大学やそれに準ずる専門機関で教育を受ける外国人留学生であること

・留学期間中、日本で生活を送るにあたって、十分な資産を持っているか、奨学金や仕送りなど、生活費を確保する術があること

 

 

ただし、上陸許可基準を満たしているかどうかの判断について、具体的にどのような審査が行われているのかは非公開にされている部分が多いのが現状ですが、弊所はビザ申請専門事務所ですので、常に出入国在留管理局の審査の視点を分析し、出入国在留管理局に対して実際に申請を出す前に、申請しようとしているケースの許可が出る可能性の有無をある程度高い精度をもって判断できます。無事に就労ビザを取って日本に入国できるかどうか不安な方は、ぜひお気軽に弊所ご相談ください。