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在留カードの取り扱いについて解説します

2021.08.14

カテゴリ 在留カード

在留カードは必ず持って出歩かなければならない? 職場に預けなきゃいけない?

日本に住んで働いている外国人や、大学などで学んでいる外国人対しては、日本に住み続けられる在留資格を示す「在留カード」が交付されています。外国人にとっての、身分証明書のひとつです。

本コンテンツでは、在留カードとはどういうもので、パスポートなどとは何が違うのか。在留カードを持っている外国人は、どのように在留カードを保持しなければならないのかを解説します。

そもそも、在留カードとは何?

かつて、日本に住む外国人には「外国人登録」が義務づけられていて、日本人の住民票とは別で、その個人情報が管理されていました。在留外国人は、外国人登録証明書の携帯が義務づけられていました。

しかし、外国人も日本人と同様に住民票に登録されるようになったことをきっかけに、外国人登録証明書が廃止され、代わりに発行・交付されているのが「在留カード」です。

在留カードには、2つの役割があります。

1つは「パスポートの代わりになるもの」としての役割です。日本に入国したとき、パスポートに貼られた「上陸許可証印」の代わりであり、正規の方法で日本に入国した外国人であることを示しています。

観光客など短期滞在の外国人は、常にパスポートを携帯して出歩く義務がありますが、在留カードを持っている外国人は、パスポートの携帯義務が免除される代わりに、在留カードの携帯が義務づけられます。在留カードはパスポートと違って、クレジットカードと一緒に財布の中に入れて携帯しやすいサイズになっています。

もう1つは、「在留資格の証明書」としての役割です。その外国人が3カ月以上にわたって日本に在留できる資格を持っている(短期滞在ではない)ことを示す証明書だと扱われます。

「在留カードに書かれていること」

  • 氏名(基本的にはアルファベット表記ですが、中国人・台湾人・韓国人は、漢字での氏名を希望すれば併記できます)
  • 生年月日
  • 性別
  • 国籍もしくは出身地域
  • 住居地
  • 在留資格
  • 就労の可否
  • 在留期間(在留カードの有効期限)

在留期間が無制限の外国人(永住者や高度専門職2号)の場合、在留カードの有効期限は7年間です。

また、16歳以上の外国人については、顔写真も在留カードに載ります。16歳未満の外国人は、写真入り在留カードへの切り替えのため、16歳の誕生日をもって、在留カードの有効期限がいったん切れます。

もし、在留カードを携帯し忘れていたら?

在留カードが発行されない外国人は、大使館や領事館などに勤務する外交官資格者(在留資格「外交」)や、外国政府の政治家や官僚、国際機関の要人(在留資格「公用」)の場合、あるいは、難民に認定すべき可能性があるため、正式に定住者資格が得られるまでの審査を行う間、特別に日本に滞在することが認められている場合など、ごく例外的なケースのみです。

日本に在留する16歳以上の外国人は、在留カードは外出時には常に携帯し、入国警備官や入国審査官、職務質問をする警察官や海上保安官に要求されたら、在留カードをいつでも見せられるようにしなければなりません。

外出時などに、在留カードを携帯し忘れていることが発覚した外国人は、最高で20万円の罰金刑が科される可能性があります。くれぐれも注意してください。

罰金刑は、お金を払えば済むだけの問題ではなく、前科としてカウントされます。よって、在留資格の更新や再入国などで許可を得ようとするときに、出入国在留管理庁によって不利な判断をされるおそれがあります。在留カードは、財布などに常に入れておき、忘れずに常備しましょう。在留カードをなくしたら、速やかに再発行の手続きを行うことが重要です。

また、最近では偽造・変造された在留カードが出回っています。SNSなどで簡単に入手できるようになっていますが、偽造・変造の在留カードを所持しているだけで、最高で懲役5年の重罪に問われるおそれがあります。

日本に滞在したいのに、事情があって在留資格が認められない友人の頼みだからといって、気軽に偽造在留カードの作成をサポートしたりしないよう、くれぐれも気をつけてください。自分まで日本を追放されるリスクがあります。

勤め先の会社から「在留カードを預かる」と言われたら?

会社は、外国人を従業員として採用しようとするときには、在留カードで、働く資格があるのかどうか、確認する必要はあるでしょう。しかし、会社が在留カードに関われるのは、その程度です。

在留資格のある外国人に、在留カードの携帯義務が課されている以上、会社が「在留カードを預かる」ことは不適切な対応であって、預かる権限はありません。むしろ、外国人スタッフから、「在留カードを預かってほしい」と求められたとしても、会社は拒否しなければなりません。

特別永住者は?

在留カードは、永住者から留学生、日本人と結婚した配偶者まで、3カ月以上の在留期間が認められているすべての外国人に発行されています。

ただし、歴史的な経緯によって、先祖の代から日本に住み続けている在日朝鮮人・在日中国人(台湾人)については、特別永住者として、在留カードとほぼ同じ大きさの「特別永住者証明書」が発行されます。

この特別永住者証明書は、在留カードと違い、特別永住者には携帯義務が課されていません。

また、在留カードは出入国在留管理庁で発行されますが、特別永住者証明書は、お住まいの地域の役所・役場で発行されます。これらの違いにも注意してください。

「在留資格認定証明書交付申請」を行い、本国の在外公館で査証の交付を受けた外国人が下記の空港から入国する場合は、下記の空港でも在留カードの交付を受けることが可能です。

新千歳空港、羽田空港、中部空港、関西空港、広島空港及び福岡空港