在留資格の活動制限と取消制度|日本に住む外国人が知っておくべき7つのルール

日本に在留する外国人は、それぞれの在留資格(ビザ)の範囲内でのみ活動することが認められています。転職・離婚・卒業など、生活状況が変わると在留資格の条件を満たせなくなるケースがあり、対応が遅れると在留資格の取消しにつながる可能性があります。

このページでは、在留資格の活動制限・変更手続き・取消制度の3つについて、入管法の条文に基づいて正確に解説します。

この記事でわかること

  • 在留資格ごとの活動制限のルール(身分系と就労系の違い)
  • 状況が変わったときの在留資格変更手続きの流れ
  • 在留資格取消制度の対象(3か月・6か月ルール)
  • 配偶者ビザで別居・離婚したときにやるべき届出と期限
  • 取消リスクを避けるための正当な理由と対応策

手続きに不安がある方は、ビザ相談窓口でお気軽にご相談ください。

在留資格の活動制限とは?身分系と就労系の違い

外国人が日本に在留する際は、許可された在留資格に応じた活動しか行うことができません。ただし、在留資格の種類によって活動制限の有無が異なります。

在留資格の種類 活動の制限 主な該当資格
身分系(入管法別表第2) 原則として活動制限なし。就労も自由。 永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者
就労系・その他(入管法別表第1) 定められた活動のみ。別の活動をする場合は許可が必要。 技術・人文知識・国際業務、留学、特定技能 など

身分系ビザのポイント

  • 永住者・日本人の配偶者等・定住者などは、在留資格上の活動制限はありません
  • ただし「夫婦の実態がある」「定住者としての身分がある」など、在留資格の前提となる身分・状況を維持することが必要です
  • 身分が変化した場合(例:離婚・死別)は、別途手続きが必要になります

状況が変わったら:在留資格変更の手続き

転職・卒業・結婚・離婚など、生活状況が変わって現在の在留資格に合わない活動をしようとする場合は、在留資格変更許可申請を出入国在留管理局に申請し、新たな在留資格を取得する必要があります。

1 状況変化を確認する

転職・卒業・離婚など、現在の在留資格の前提となる状況に変化があった場合、まず現在の在留資格が引き続き有効かを確認します。

2 在留資格変更許可申請を行う

必要な書類を準備し、出入国在留管理局に申請します。申請から結果通知までの間は、現在の在留資格の範囲内で活動を継続することができます。

3 許可・新在留カードの受領

変更が許可されると、新しい在留資格が付与されます。在留カードの記載が変更されます。

よくある変更が必要なケース(例)

  • 留学ビザ(留学)で卒業後、日本企業に就職する場合 → 技術・人文知識・国際業務などの就労ビザへ変更が必要
  • 家族滞在で在留中、就労を開始する場合 → 就労系在留資格への変更(または資格外活動許可)が必要
  • 配偶者ビザで在留中、離婚した場合 → 定住者・就労ビザなど他の在留資格への変更を検討

就労ビザへの変更をお考えの方は、就労ビザのサポート内容もあわせてご確認ください。

在留資格取消制度とは?3か月・6か月ルールを解説

在留資格の条件を満たさない状態が一定期間続くと、法務大臣(実務上は地方出入国在留管理局長)は在留資格を取り消すことができます(入管法第22条の4)。主なルールは以下の2つです。

📌3か月ルール(別表第1の在留資格)

就労・留学など、入管法別表第1に定められた在留資格で在留する方が、正当な理由なく継続して3か月以上その在留資格に対応した活動を行っていない場合、在留資格取消しの対象となります(入管法22条の4第1項6号)。

💍6か月ルール(配偶者系在留資格)

「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格で在留する方が、正当な理由なく継続して6か月以上配偶者としての活動(夫婦生活・同居等)を行っていない場合、在留資格取消しの対象となります(入管法22条の4第1項7号)。

取消制度の重要ポイント

  • 取消しが確定すると、原則として30日以内に出国しなければならない場合があります
  • 取消し前に意見聴取の機会(意見聴取通知書の送付)が原則として設けられます
  • 「正当な理由」がある場合は取消しを免れる場合があります(次のセクション参照)
  • 制度の詳細・最新の運用については、出入国在留管理庁の公式ページでご確認ください

配偶者ビザ保持者が別居・離婚したときの対応

配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」など)をお持ちの方が離婚・死別をした場合、速やかな届出と在留資格変更の検討が必要です。

1 14日以内に「配偶者に関する届出」を提出

離婚・死別が確定した日から14日以内に、最寄りの出入国在留管理局(またはオンライン)に届出が必要です(入管法第19条の16)。届出を怠ると、20万円以下の罰金が科される場合があります。

2 6か月以内に在留資格変更を検討・申請

配偶者としての活動を正当な理由なく継続して6か月以上行わない状態が続くと在留資格取消しの対象になります。離婚後は早期に次の在留資格(定住者・就労系など)への変更を検討してください。

3 出入国在留管理局または専門家に相談

状況によって変更可能な在留資格や必要書類が異なります。子どもがいる場合は定住者への変更が認められやすいケースもあります。早めに専門家に相談することをおすすめします。

別居中の方への注意

  • 法律上は婚姻関係があっても、夫婦としての実態(同居・協力扶助関係)がない状態が続くと、6か月ルールの対象になる場合があります
  • DV被害など正当な理由による別居は取消事由から除外されます(次のセクション参照)
  • 状況が変わった場合は、できる限り早く届出・相談を行うことが重要です

配偶者ビザ・離婚後の在留に関するサポートは、配偶者ビザのサービスページをご覧ください。

正当な理由があれば取消しを免れる場合も

在留資格取消制度では、活動を継続していなくても「正当な理由」がある場合は、取消しの対象外とされています。ただし、正当な理由は客観的な証拠で説明・証明できることが重要です。

会社都合で解雇されたが、現在ハローワーク登録など積極的に転職活動中
病気・怪我・入院などで就労・就学が困難な状態にある
配偶者からのDV(家庭内暴力)を避けるために別居している
育児・介護などやむを得ない事情により活動が制限されている

意見聴取の機会があります

在留資格取消しが検討される場合、原則として「意見聴取通知書」が送付され、本人が事情を説明できる機会が設けられます。通知が届いた場合は必ず期日に出頭し、正当な理由がある場合はその証拠とともに丁寧に説明してください。専門家への相談も有効です。

一度不許可・取消しになった場合の対応については、不許可相談ページで詳しくご案内しています。

よくある質問(FAQ)

在留資格変更の申請中も、日本に滞在できますか?
はい。在留資格変更許可申請を行い、その結果の通知を待っている間は、現在お持ちの在留資格の範囲内で活動を継続することができます。ただし、在留期限が過ぎないよう注意が必要です。
転職した場合、届出は必要ですか?
就労系の在留資格をお持ちの方が所属機関(勤務先)を変更した場合、転職日から14日以内に出入国在留管理局への届出が義務付けられています(入管法第19条の16)。届出を怠ると在留期間更新時に不利に評価される場合があります。また、転職先の職務内容が在留資格の範囲外の場合は、在留資格変更が必要です。
配偶者ビザで在留中に離婚した場合、すぐに日本を出なければなりませんか?
すぐに出国する必要はありません。ただし、離婚から14日以内に配偶者に関する届出を提出し、その後6か月以内を目安に他の在留資格への変更を検討することが重要です。定住者や就労系ビザへの変更が可能な場合もあります。詳しくは定住者・家族滞在ビザのページもご参照ください。
在留資格に対応した活動を3か月以上していない場合、必ず取り消されますか?
必ずしも自動的に取り消されるわけではありません。正当な理由(病気・解雇・積極的な就職活動中など)がある場合は対象外とされます。また取消しの前に意見聴取の機会が設けられます。ただし、状況を放置することはリスクが高いため、早めにビザ相談窓口にご相談されることをおすすめします。
永住者も在留資格が取り消されることがありますか?
永住者は在留期間や活動制限はありませんが、在留資格の取消制度の対象とはなります。2024年6月に成立した改正入管法(2025年6月15日施行)により、永住者についても税金・社会保険料の故意の不払いや一定の刑事罰などを理由とした取消事由が追加されました。最新の制度内容は出入国在留管理庁の公式情報でご確認ください。

まとめ:在留資格の変化に気づいたら早めの行動を

この記事のポイント整理

  • 外国人は付与された在留資格の範囲内でのみ活動できる(身分系は活動制限なし)
  • 状況が変わったら在留資格変更許可申請が必要。申請中は現在の資格で活動継続可
  • 就労・留学系:正当な理由なく3か月以上活動を行わない場合は取消対象(入管法22条の4第1項6号)
  • 配偶者系:正当な理由なく6か月以上配偶者としての活動がない場合は取消対象(同7号)
  • 離婚・転職時は14日以内の届出が義務(未届出は罰則あり)
  • 正当な理由があれば取消を免れる場合がある。意見聴取の機会で丁寧に説明を

在留資格は日本での生活の基盤です。転職・離婚・卒業など、状況が変わったときは放置せず、できる限り早く届出・相談を行うことが最大のリスク回避になります。

「自分の状況がどのケースに当てはまるか分からない」「手続きが複雑で不安」という方は、まずビザ相談窓口でお気軽にご相談ください。状況を整理した上で、適切な手続きをご案内します。

制度・運用は変わることがあります

このページの情報は、公開時点の入管法および出入国在留管理庁の運用に基づいています。法改正や運用変更により内容が変わる場合がありますので、最新情報は必ず出入国在留管理庁の公式サイトまたは専門家にご確認ください。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
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