家族滞在ビザの要件・申請書類・子どもの在留資格|ひろしまビザ相談室

就労ビザや留学ビザで日本に滞在している方の配偶者・お子さんは「家族滞在」という在留資格で一緒に暮らせます。また、日本で外国籍のお子さんが生まれた場合は出生後30日以内に在留資格の取得申請が必要です。期限を過ぎると不法滞在となる重大なリスクがあるため、手続きの全体像を早めに把握しておくことが大切です。

📌 この記事でわかること

  • 家族滞在ビザの対象者・要件・注意点
  • 就労(アルバイト)ができる条件と制限
  • 海外から家族を呼び寄せる際の必要書類
  • 日本で子どもが生まれたときの3つの必須手続きと期限
  • よくある落とし穴と対処法

※ 制度・運用は変更される場合があります。最新情報は出入国在留管理庁の公式サイトで必ずご確認ください。手続きが複雑な場合は専門家への相談もご検討ください。

家族滞在ビザとは?対象者と基本要件

在留資格「家族滞在」は、一定の在留資格(主に就労ビザ・留学ビザ)をもって日本に滞在する外国人の配偶者または子が、同じく日本で生活するための在留資格です。扶養者(主体となるビザ保有者)の在留に付随する性格を持ち、扶養者が帰国・在留資格を失うと、原則として家族滞在ビザも存続できなくなります。

👤 扶養者(本体)

以下のビザで日本に在留する外国人が対象です。

  • 就労ビザ:教授、高度専門職、経営管理、技術・人文知識・国際業務、介護、技能、特定技能2号 など
  • 留学ビザ
  • 文化活動ビザ など

※ 特定技能1号は原則として家族滞在の扶養者になれません。

👨‍👩‍👧 対象家族(被扶養者)
  • 配偶者(法律上の婚姻関係が必要)
  • 子(実子・養子・認知された非嫡出子を含む)

※ 両親・兄弟姉妹・内縁パートナーは対象外です。
※ 子は年齢制限なし。ただし「扶養を受けている」実態が必要です。

✅ 家族滞在ビザの主な取得要件

  1. 扶養者との関係:配偶者であれば婚姻が法律上有効であること。内縁・婚約者は不可。
  2. 扶養の実態:経済的に扶養を受けていること。独立して生計を立てられる状況では認められない場合があります。
  3. 同居・養育:扶養者と同居し、配偶者であれば看護・子であれば養育を受けていること。
  4. 扶養者の経済力:扶養者の収入が家族を養える水準であること(明確な金額基準は公示されていませんが、目安として配偶者1名なら年収250万円程度以上が実務上の参考値とされています)。

※ 上記はあくまで一般的な基準です。審査は個別事情に基づいて行われます。

⚠️ 重要:在留期間は扶養者に連動します

家族滞在ビザの在留期間は、法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)です。扶養者の在留期間と連動して更新されます。扶養者が本国へ帰国した場合、家族滞在ビザで在留し続けることは原則できません。在留を希望する場合は、別の在留資格への変更手続きが必要です。

アルバイトはできる?就労に関するルール

家族滞在ビザは原則として就労を目的としない在留資格です。ただし、資格外活動許可を取得することで、アルバイト(パートタイム就労)が可能になります。

項目 許可あり(資格外活動許可取得後) 許可なし
就労 ✅ アルバイト可(制限あり) ❌ 不可(不法就労)
週の上限時間 28時間以内(夏季・春季休業中の留学生は40時間)
業種制限 風俗営業法関係の業種は不可
申請先 居住地管轄の地方出入国在留管理局

🚨 資格外活動許可の範囲を超えると…

  • 在留資格の更新が不許可になる可能性があります
  • 特に風俗営業関係の就労は、その後のビザ更新が極めて困難になります
  • フルタイム就労(週40時間以上の正規就労)は、就労ビザへの変更が必要です

フルタイムで働きたい場合や、仕事内容が高度な専門職に該当する場合は、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)への在留資格変更を検討する必要があります。詳しくは就労ビザのサポートページもご参照ください。

必要書類一覧(海外から家族を呼び寄せる場合)

海外にいる配偶者・子を日本に呼び寄せる場合は、日本国内で扶養者が在留資格認定証明書(CoE)の交付申請を行います。証明書を取得後、家族が本国の日本大使館・総領事館でビザ(査証)を申請する流れになります。

📋 呼び寄せの手続きフロー

1
扶養者が日本の入管で在留資格認定証明書(CoE)を申請

扶養者本人(または取次者)が管轄の地方出入国在留管理局へ必要書類を提出します。

2
認定証明書を海外の家族に送付

審査が通ると証明書が発行されます。家族に郵送します。

3
家族が本国の日本大使館・領事館でビザを申請・取得

認定証明書を持参し、家族滞在ビザ(査証)を取得します。

4
日本に入国

入国後、在留カードが発行されます。

📄 在留資格認定証明書交付申請の主な必要書類

書類 備考
在留資格認定証明書交付申請書 出入国在留管理庁所定の様式
証明用写真 縦4cm×横3cm、申請前3か月以内に撮影したもの
返信用封筒 宛先を明記し、404円分の切手(簡易書留用)を貼付
申請人と扶養者の身分関係を証明する書類 戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書(写し)、出生証明書(写し)、またはこれらに準ずるもの
扶養者の在留カードまたは旅券(パスポート)の写し
扶養者の職業・収入を証明する書類
【就労ビザの場合】
在職証明書または営業許可書の写し、住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書
扶養者の経済力を証明する書類
【留学ビザの場合】
扶養者名義の預金残高証明書、または給付金額・給付期間を明示した奨学金給付に関する証明書

ℹ️ 書類に関する共通注意事項

  • 日本で発行される証明書は、発行日から3か月以内のものが必要です
  • 外国語で作成された書類には、日本語訳文を添付してください
  • 提出書類は原則として返却されません。再入手困難な原本の返却を希望する場合は、申請時に申し出てください
  • ケースによって追加書類が求められる場合があります。管轄の入管窓口で事前確認することをお勧めします

日本で子どもが生まれたときの手続き

外国籍の両親の間に日本で子どもが生まれた場合、日本は出生地主義を採用していないため、子どもは自動的に日本国籍を取得しません。日本に在留し続けるためには在留資格の取得申請が必要です。期限は出生後30日以内と非常に短いため、出産前から手続きを把握しておくことが重要です。

14日以内
市区町村への出生届
30日以内
入管への在留資格取得申請
随時
本国大使館への出生届・パスポート申請

📋 3つの必須手続き詳細

出生届の提出(出生後14日以内)

居住地(または出生地)の市区町村役場に出生届を提出します。このとき「出生届受理証明書」を必ず取得してください。在留資格取得申請に必要です。

※ 期限を超えると5万円以下の過料が科される場合があります。

本国(父または母の国籍国)への出生届・パスポート申請

父または母の国籍が属する国の駐日大使館・領事館に出生を届け出て、子どものパスポート発給申請を行います。

※ パスポートの取得は在留資格取得申請の後でも可能です。申請書の旅券番号欄は「申請中」と記載できます。期限・書類は各国大使館にご確認ください。

在留資格取得申請(出生後30日以内)

居住地を管轄する地方出入国在留管理局に対し「在留資格取得許可申請」を行います。申請手数料は無料です。許可が下りると在留カードが発行されます。

※ 30日を過ぎると子どもは不法滞在状態となり、手続きが大幅に複雑化します。
※ 出生後60日以内に日本から出国する場合は、申請は不要です(60日を超えて滞在するなら必須)。

👨‍👩‍👧 親の在留資格によって子どもの在留資格が異なります

親の在留資格 子どもが取得する在留資格(原則)
就労ビザ・留学ビザ・文化活動ビザ など 家族滞在
永住者 永住者(永住許可申請が必要)
日本人の配偶者等・永住者の配偶者等 日本人の配偶者等 または 永住者の配偶者等
定住者 定住者(または家族滞在)

ℹ️ 永住者の子どもについて(重要)

父または母が「永住者」の在留資格を持つ場合、一定の要件を満たせばその子も「永住者」の在留資格を取得できます。ただし、出生後30日以内に在留資格取得申請を行わない場合は「永住者」の取得ができず、「永住者の配偶者等」となる運用がとられています。期限内の申請が非常に重要です。

ℹ️ 日本国籍について

国籍法の規定により、父または母のいずれかが日本国籍の場合、子どもは出生により日本国籍を取得します。この場合は在留資格の取得申請は不要です。ただし、その子が外国籍も取得している場合は、22歳までに国籍を選択する必要があります(現在の運用では自動的に日本国籍を失うことはないとされていますが、早期の選択が推奨されています)。

よくある落とし穴と注意点

❌ 落とし穴①:扶養者が帰国したのに家族が日本に残ってしまう

家族滞在ビザは扶養者の在留に付随します。扶養者が帰国・転出した場合は、家族も在留資格変更の手続きをとらなければなりません。何も手続きをしないまま在留し続けると不法滞在になります。

回避策:離婚・死別・扶養者の帰国が決まったら速やかに定住者・家族滞在ビザの専門家に相談し、在留資格変更の方針を確認しましょう。

❌ 落とし穴②:資格外活動許可なしで働いてしまう

資格外活動許可を取得せずに働くと、不法就労となります。雇用主も不法就労助長の責任を問われる場合があります。

回避策:就労前に必ず管轄の入管へ資格外活動許可申請を行いましょう。通常、家族滞在ビザ保有者の資格外活動許可は許可されます。

❌ 落とし穴③:子どもの在留資格取得申請を30日以内にしなかった

出生後30日を過ぎると子どもは不法滞在状態となります。この場合、通常の在留資格取得許可申請ではなく「在留特別許可申請」が必要となり、手続きが複雑化・審査が厳しくなります。

回避策:出産前から30日のカウントダウンを意識し、出生届(14日以内)とセットで準備を進めましょう。不安な場合は早めにビザ相談窓口へご相談ください。

❌ 落とし穴④:扶養の実態がなくなっているのに更新した

家族が相当程度の収入を得て自立している場合、扶養の実態がないと判断され、更新が不許可になる可能性があります。

回避策:就労の程度・収入状況を踏まえ、就労ビザへの変更が必要かどうかを専門家と相談しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 両親・兄弟姉妹を家族滞在で呼び寄せることはできますか?
A. できません。家族滞在ビザの対象は配偶者と子のみです。両親・兄弟姉妹・祖父母などは対象外です。長期滞在を希望する場合は短期滞在ビザを繰り返す方法がありますが、制限があります。個別のケースについてはビザ相談窓口でご確認ください。
Q. 子どもに年齢制限はありますか?成人した子どもでも対象ですか?
A. 法律上の年齢制限はなく、扶養の実態があれば成人後も対象となり得ます。ただし、年齢が上がるほど「扶養を受けている」実態の証明が厳しくなる傾向があります。また、海外にいる成人した子を新規に呼び寄せる(新規取得)ことは実務上非常に困難です。国内で既に家族滞在ビザを持っている場合の更新は、扶養の実態次第で可能なケースがあります。
Q. 扶養者が転職や在留資格変更をした場合、家族滞在ビザはどうなりますか?
A. 扶養者が別の就労ビザに変更した場合、家族滞在ビザも更新(在留資格変更)が必要になります。扶養者の在留資格変更後、速やかに手続きをとりましょう。
Q. 離婚・死別した場合、家族滞在ビザはどうなりますか?
A. 離婚または死別した日から14日以内に、出入国在留管理局に対して届出が必要です。その後、在留を続けるためには在留資格の変更が必要となります。今までの在留状況に問題がなければ「定住者」または「特定活動」への変更が認められる場合があります。詳しくは定住者・家族滞在ビザのサポートページをご確認ください。
Q. 就労ビザと家族滞在ビザを同時に申請できますか?
A. 可能です。例えば、海外から外国人社員を採用する際に、その方の就労ビザと配偶者の家族滞在ビザを同時に申請することができます。
Q. 子どもが日本の高校を卒業後、日本で就職できますか?
A. 家族滞在ビザのままではフルタイム就労はできません。ただし、一定の要件(入国時18歳未満、義務教育・高校卒業、就労先が決定済みなど)を満たす場合、「定住者」または「特定活動」への在留資格変更が認められる制度があります(令和6年更新)。詳しくは出入国在留管理庁または専門家にご相談ください。
Q. 特定技能1号の扶養者は家族滞在ビザを取れますか?
A. 原則として、特定技能1号は家族滞在の扶養者対象外です(特定技能2号は対象)。ただし、例外的なケースや制度変更の可能性もあるため、最新情報を出入国在留管理庁で確認することをお勧めします。

まとめと次にやること

📌 この記事のポイント整理

  • 家族滞在ビザの対象は配偶者と子のみ(両親・兄弟姉妹は不可)
  • 在留期間は5年を超えない範囲で扶養者の期間に連動
  • 就労は原則不可。資格外活動許可取得後に週28時間以内のアルバイトが可
  • 風俗営業関係での就労は更新に致命的な影響があるため絶対に避ける
  • 日本で外国籍の子が生まれた場合は出生後30日以内に在留資格取得申請(出生届は14日以内)
  • 永住者の子は期限内に申請しないと永住者として取得できない
  • 扶養者の帰国・離婚・死別などで在留資格の変更が必要になるケースがある

お手続きでお困りの方へ

家族滞在ビザの申請・更新、子どもの在留資格取得、離婚後の在留資格変更など、個別事情に応じた対応が必要です。期限が迫っている場合や、状況が複雑な場合はお早めにご相談ください。

記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
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広島永住ビザ申請代行センター

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広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター

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広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター

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蜂須賀 昭仁

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外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応

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