【完全図解】経営・管理ビザとは?500万円出資・事務所要件・必要書類を起業家向けに徹底解説
この記事で分かること
経営・管理ビザは、外国人が日本で会社を経営したり、役員として活動したりするための就労ビザです。500万円以上の出資または従業員2名以上の雇用が基本要件となります。
この記事では、経営・管理ビザの基本要件、会社設立から申請までの流れ、各種ケース別の注意点(学生の中退、就労ビザからの変更、家族滞在からの変更など)、必要書類まで、起業を目指す外国人と支援者向けに網羅的に解説します。
経営・管理ビザとは
経営・管理ビザは、外国人が日本で事業の経営や管理を行うための就労ビザです。起業家や会社役員が取得する必要があります。
経営者
日本で会社を設立し、代表取締役として経営する外国人
役員
日本企業の取締役や監査役として経営に参画する外国人
管理者
事業の管理に従事する部長・工場長などの管理職(一定規模以上の企業)
基本的な取得要件
経営・管理ビザを取得するためには、以下の基本要件を満たす必要があります。
以下のいずれかを満たす必要があります:
- 500万円以上の出資
- または、従業員2名以上の雇用(常勤の日本人または永住者等)
✓ 株式会社、合同会社等、会社形態は問いません
自宅とは別の場所に事務所を設置する必要があります。
⚠️ 重要:居所(生活空間)と事務所住所が同じ場合は原則として経営・管理ビザは取得できません
資本金500万円以上の要件
資本金の出処証明が重要
500万円以上の資本金を用意する場合、そのお金の出処を証明する必要があります。特に以下の点が厳しく審査されます:
- 貯金してきた経緯(通帳のコピーなど)
- 親族からの援助の場合、援助者の資産証明
- 本国での収入証明
- 送金記録
出処が不明なお金は認められません。計画的に準備しましょう。
従業員2名以上雇用の要件
常勤の日本人または永住者等の雇用
500万円の出資をしない場合、常勤の従業員2名以上を雇用する必要があります:
- 日本人
- 永住者
- 日本人の配偶者等
- 永住者の配偶者等
- 定住者
※ 留学生や技能実習生などの就労制限がある在留資格の外国人は含まれません
申請前に必要な準備
経営・管理ビザを申請する前に、実際にビジネスを始められる体制を整える必要があります。ビザを取得していない段階で、売上や役員報酬等は発生させてはいけません。
申請前に必ず完了させるべきこと
以下の手続きが完了していないと、経営・管理ビザへの申請をしても許可されません:
株式会社や合同会社などの法人を設立し、登記が完了している必要があります。
- 登記事項証明書(登記簿謄本)の取得
- 定款の作成
- 資本金の払込
事業内容によっては、営業許可や届出が必要です。
- 飲食店:飲食店営業許可
- 旅行業:旅行業登録
- 人材派遣:労働者派遣事業許可
- 中古品販売:古物商許可
※ 許認可が不要な業種もあります
税務署への届出を完了させる必要があります。
- 法人設立届出書
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 青色申告の承認申請書
- 源泉所得税の納期の特例承認に関する申請書
✓ すべて税務署の受付印があるもの
自宅とは別の場所に、実体のある事務所を設置します。
- 賃貸契約書(法人名義または代表者名義)
- デスク、PC等の設備配置
- 看板や表札の設置
- 事務所の外観・内観写真
最も重要:詳細で実現可能な事業計画書と収支計画書を作成します。
⚠️ 計画書の作成が不十分だと絶対に経営・管理ビザを取得することはできません
事業計画書・収支計画書は最重要書類
- 事業の実現可能性を詳細に説明する必要があります
- 市場調査、競合分析、マーケティング戦略など
- 向こう3~5年間の収支計画を月次で作成
- 収支計画は楽観的すぎても悲観的すぎてもダメ
- 専門家のサポートを受けることを強く推奨
ケース別の注意点
経営・管理ビザの申請には、申請者の現在の状況によって異なる注意点があります。主なケースをご紹介します。
ケース1: 大学・専門学校を中退して起業する場合
学歴要件はないが、厳しく審査される
経営・管理ビザには学歴の要件はありませんので、大学や専門学校を中退していても取得は可能です。
ただし、以下の点について入国管理局から厳しく追及される可能性があります:
- 資本金(500万円以上)の出処:学生がどうやって500万円を用意したのか
- 事業計画書:本当に事業が成功する見込みがあるのか
- なぜ中退したのか?:中退の理由が合理的か
- なぜ卒業前に事業を開始する必要があるのか?:卒業を待てない理由
基本的には卒業してからの起業を推奨
学業を途中で放棄して起業することに対して、入国管理局は非常に慎重な姿勢を取ります。
推奨:現在通っている学校を卒業してからの起業をおすすめします。卒業後であれば、上記の追及を受けるリスクが大幅に減ります。
ケース2: 就労ビザから経営・管理ビザへ変更する場合
変更申請前に事業体制を完全に整える
就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)から経営・管理ビザへ変更する場合の流れ:
会社員として働きながら、起業の準備を進めます。この段階ではまだ経営活動はできません。
セクション3で説明した準備をすべて完了させます。ただし、売上や役員報酬は発生させてはいけません。
すべての準備が整った段階で、在留資格変更許可申請を行います。
経営・管理ビザが許可された後に、現在の会社を退職し、経営活動を開始します。
経営活動のタイミングに注意
経営・管理ビザを取得する前に売上や役員報酬を発生させると、資格外活動違反になります。必ず許可後に経営活動を開始してください。
ケース3: 家族滞在ビザから経営・管理ビザへ変更する場合
家族滞在ビザのまま経営はできません
家族滞在ビザで日本に在留している外国人がビジネスを始めたい場合、経営・管理ビザへの変更が必要です。
家族滞在ビザは継続できるので安心
- 経営・管理ビザの申請が万が一不許可になっても、家族滞在ビザでの在留は継続できます
- 在留できなくなるというリスクはありませんので安心してください
- ただし、経営・管理ビザの取得は非常に難しいため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します
事務所要件の重要ポイント
経営・管理ビザの取得において、事務所の要件は非常に重要です。特に自宅との関係に注意が必要です。
自宅を会社住所にしてはいけません
重要:居所(生活空間)と事務所住所が同じ場合は、原則として経営・管理ビザは取得できません。
自宅を本店所在地として登記してしまった場合
会社設立時に自宅を本店所在地として登記してしまった場合、このままでは経営・管理ビザは取得できません。
経営・管理ビザの申請をする前に、本店所在地を事務所等に変更しなければいけません。
- 別の場所に事務所を借りる
- 株主総会で本店所在地変更を決議
- 法務局で本店移転登記を行う
本店所在地が事務所に変更され、登記が完了した後に、経営・管理ビザを申請します。
事務所として認められる要件
バーチャルオフィスは原則不可
住所貸しのみのバーチャルオフィスは、実体のある事務所とは認められません。ただし、以下の条件を満たせば認められる場合があります:
- 専有スペースがある(個室など)
- いつでも使用できる
- 事業に必要な設備がある
代表取締役として外国人を呼ぶ方法
海外にいる外国人を代表取締役として日本に呼ぶことも可能です。主に2つのパターンがあります。
パターン1: 500万円以上の出資をして呼ぶ(最も一般的)
新規に会社を設立するパターン
海外の外国人が500万円以上を出資して、日本で新たに会社を設立し、代表取締役として来日するパターンです。
- 外国人本人が500万円以上を出資
- 日本で会社を設立
- 代表取締役に就任
- 経営・管理ビザで来日
パターン2: 金銭出資をしないで呼ぶ(条件が厳しい)
既存企業が経営者を招聘する場合
金銭出資をしないで外国人を代表取締役として呼ぶ場合、以下の条件をすべてクリアする必要があります:
ある程度の事業規模でないとビザは許可されません。
- 売上実績がある
- 従業員がいる
- 事業が安定している
外国人本人が3年以上の経営・管理経験を持ち、それが証明できることが必要です。
- 在職証明書
- 役員登記簿(本国)
- 大学院で経営学を専攻していた期間も含む
管理職として招聘する場合の注意点
代表取締役ではなく、管理職として経営・管理ビザを取得する場合:
- ある程度の事業規模が必要
- 十分な従業員数が必要
- 部長、工場長などの管理職ポジションであること
- 単なる一般社員では認められません
必要書類一覧
経営・管理ビザの申請には、非常に多くの書類が必要です。事業内容やケースによっては追加書類が必要となります。
共通提出書類
会社に関する書類
税務署への届出書類(受付印必須)
事業計画関係書類(最重要)
詳細な計画書が必須
- 事業計画書:事業の内容、市場分析、競合分析、マーケティング戦略、実施スケジュールなど
- 損益計画表(収支計画書):向こう3~5年間の売上・経費・利益の見込みを月次で作成
- 年間投資額と資本金の出処を証明する書類:500万円の資金がどこから来たのか
- 出資金の出処を証明する書類:通帳のコピー、送金記録、親族からの援助証明など
追加書類が求められるケース
事業内容やケースによっては、以下のような追加書類が必要となります:
- 営業許可証のコピー(許認可が必要な業種)
- 事務所の賃貸契約書
- 従業員の雇用契約書(従業員2名以上で申請する場合)
- 取引先との契約書や発注書
- 市場調査資料
よくある質問(Q&A)
具体的には:
・日本で会社を設立して経営する外国人
・日本企業の取締役や監査役として経営に参画する外国人
・事業の管理に従事する部長・工場長などの管理職(一定規模以上の企業)
が対象となります。
1. 資本金または雇用:
・500万円以上の出資、または
・従業員2名以上の雇用(常勤の日本人または永住者等)
2. 独立した事務所:
・自宅とは別の場所に事務所を設置すること
株式会社、合同会社等、会社形態は問いません。
① 会社の設立が完了していること
・登記が完了している
② 営業するのに必要な許認可を取得済みであること
・飲食店営業許可、旅行業登録など(業種により異なる)
③ 必要な税金関係の書類を申告済みであること
・法人設立届出書、給与支払事務所等の開設届出書など
これらの前提がすべて整った上での申請になりますので、会社を設立する前からビザ申請に至るまで、計画的に手続きを進める必要があります。
特に収支計画は入念に立てましょう。そうしなければ大きな損失につながります。
ただし、以下の点について入国管理局から厳しく追及される可能性があります:
・資本金(500万円以上)の出処
・事業計画書の実現可能性
・なぜ中退したのか?
・なぜ卒業する前に事業を開始する必要があるのか?
基本的には現在通っている学校を卒業してからの起業をおすすめします。
重要な注意点:
経営・管理ビザを取得していない段階で、売上や役員報酬等は発生させてはいけません。資格外活動違反になります。
申請のタイミング:
・会社設立完了
・営業許可取得(必要な場合)
・事務所設置完了
・税務署への届出完了
・事業計画書・収支計画書作成完了
これらがすべて整った段階で申請し、許可が出てから現在の会社を退職して経営活動を開始します。
居所(生活空間)と事務所住所が同じ場合は、原則として経営・管理ビザは取得できません。
もし自宅を会社の住所にして本店所在地として登記をしてしまった場合には、経営・管理ビザの申請をする前に、本店所在地を事務所等に変更しなければいけません。
自宅とは別の場所に独立した事務所を設置する必要があります。
パターン1: 500万円以上の出資をして呼ぶ(最も一般的)
外国人本人が500万円以上を出資して、日本で会社を設立し、代表取締役として来日します。
パターン2: 金銭出資をしないで呼ぶ(条件が厳しい)
以下の条件をすべてクリアする必要があります:
・日本で既に会社が設立済みであること(ある程度の事業規模)
・外国人本人に3年以上の経営や管理の経験があり、それが証明できること
・大学院で経営学を専攻していた期間も経営管理の実績に含まれます
管理職として招聘する場合は、ある程度の事業規模と従業員数が必要になります。
安心してください:
経営・管理ビザの申請が万が一不許可になっても、家族滞在ビザでの在留は継続できます。
在留できなくなるというリスクはありません。
ただし、経営・管理ビザの取得は非常に難しいため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
事業計画書に含めるべき内容:
・事業内容の詳細説明
・市場調査と分析
・競合分析
・マーケティング戦略
・実施スケジュール
・リスク分析と対策
収支計画書(損益計画表):
・向こう3~5年間の予測
・月次での売上・経費・利益の見込み
・実現可能で、楽観的すぎず悲観的すぎない数字
経営・管理ビザは他のビザ以上に専門家に任せることが賢明です。
まとめ:経営・管理ビザ取得のポイント
- 経営・管理ビザは外国人経営者・役員のための就労ビザ
- 基本要件:500万円以上の出資または従業員2名以上の雇用
- 事務所要件:自宅とは別の場所に独立した事務所が必須
- 申請前に会社設立、許認可取得、税務署への届出をすべて完了させる
- 最重要:詳細で実現可能な事業計画書・収支計画書の作成
- 学歴要件はないが、学生の中退起業は厳しく審査される
- 就労ビザからの変更は、許可前に売上・報酬を発生させてはいけない
- 家族滞在からの変更は、不許可でも家族滞在ビザは継続できる
- 海外から代表取締役を呼ぶ場合、500万円出資が最も一般的
- 他のビザ以上に専門家のサポートが必須
専門家へのご相談を強く推奨します
経営・管理ビザは、就労ビザの中で最も取得が難しいビザの一つです。事業計画書の作成、資本金の出処証明、事務所の要件など、専門的な判断が必要な場面が非常に多くあります。
会社設立から税務手続き、ビザ申請まで、一貫したサポートを受けることで、確実にビザを取得し、事業を成功させることができます。司法書士、税理士、行政書士との連携体制がある専門家に相談することを強くおすすめします。
単に書類作成を代行するだけでなく、起業経験に基づいた実務的なアドバイスを受けられる専門家を選びましょう。
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
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広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
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広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター
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広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター
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記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所 「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応
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広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
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