【就労ビザとは】種類・職種・取得条件を行政書士がQ&Aでわかりやすく解説

国際行政書士
国際行政書士 監修

在留資格・就労ビザ申請の専門家が、代表的な就労ビザの種類と職種をわかりやすく解説します。

就労ビザ専門 外国人雇用サポート 経営管理ビザ対応

📘 この記事でわかること

「就労ビザ」とは、外国人が日本で合法的に働くために必要な在留資格の総称です。
実際の申請で特に多く使われる「技術・人文知識・国際業務」「技能」「企業内転勤」「経営管理」の4つを中心に、
どんな職種・どんな人が対象になるのかを、国際行政書士がQ&A形式でわかりやすく解説します。 これから就労ビザの申請を考えている方や、外国人を採用したい企業担当者にも役立つ内容です。

29 種類

在留資格の総数

16 種類

就労できる在留資格数
※2024年時点

4 ビザ

主要就労ビザ
(この記事で解説)

195 万人

就労ビザ保持者数
※2024年6月末

① 就労ビザとは?在留資格全体の中での位置づけ

「就労ビザ」とは、外国人が日本で合法的に就労するために必要な在留資格の総称です。 正式には「在留資格」といい、就労が認められる在留資格を俗称として「就労ビザ」と呼ぶのが一般的です。

🗂️ 在留資格の種類と就労の可否(概略図)
① 就労系
在留資格
就労可能(範囲限定)
定められた職種・活動の範囲内で就労できる。
例: 技術・人文知識・国際業務 技能 企業内転勤 経営管理 高度専門職 特定技能 など
② 身分系
在留資格
就労制限なし
職種に関係なく自由に就労できる。
例:永住者、日本人の配偶者等、定住者
③ 非就労系
在留資格
原則就労不可 資格外活動許可で週28h以内のみ可
例:留学、家族滞在、短期滞在

実務でよく申請される代表的な4つの就労ビザ

就労ビザは複数種類ありますが、日常的な申請案件の大半を占めるのは以下の4つです。本記事ではこの4つを詳しく解説します。

  • 📌 技術・人文知識・国際業務:IT・通訳・デザイナーなどデスクワーク系
  • 📌 技能:外国料理の調理師・ソムリエ・スポーツトレーナーなど
  • 📌 企業内転勤:同一企業の海外拠点から日本支店へ転勤
  • 📌 経営管理:日本で会社を経営・役員として活動する場合
💻

技術・人文知識・国際業務Gijinkoku / Engineer

最も申請件数が多い就労ビザ。理工系・IT系の技術業務、翻訳・通訳、デザイン、語学教師など幅広い職種をカバーする。

💻 IT技術者 ⚙️ 理工系エンジニア 🗣️ 通訳・翻訳 🎨 デザイナー 📝 コピーライター 🏫 外国語講師 📊 マーケティング
🍳

技能Gino / Skilled Labor

外国に特有の高度な技能を要する業務に従事する方向けのビザ。一定年数以上の実務経験が必要。

🍜 外国料理の調理師 ✈️ パイロット 🏋️ スポーツトレーナー 🍷 ソムリエ ⛵ 航海士 🏗️ 石油等掘削作業
🏢

企業内転勤Intra-company Transferee

同一企業グループの海外拠点から日本支店・本社へ転勤する際に取得するビザ。事前に1年以上の勤務経験が必要。

🌏 海外本社→日本支社 🔄 グループ会社間異動 📋 管理職・専門職
👔

経営管理Business Manager

外国人が日本に在留しながら会社の経営・管理業務を行う場合に必要なビザ。社長・取締役・個人事業主など。

🏦 会社社長 📌 取締役・役員 🏪 個人事業主 💼 支店長

② 技術・人文知識・国際業務ビザ

「技術・人文知識・国際業務」は、就労ビザの中で最も申請件数が多く、幅広い職種をカバーする在留資格です。 2023年6月時点で約34万6千人が保持しており、外国人就労者の中心的な在留資格となっています。

区分 主な職種・業務内容
技術系 機械・電気・情報工学などの理工系エンジニア、IT技術者、システムエンジニア、プログラマー
人文知識系 マーケティング、会計・財務、法務、経営企画などのオフィスワーク、コンサルタント
国際業務系 通訳・翻訳、語学教師(私企業での外国語講師)、コピーライター、デザイナー

取得のポイント

  • 従事する業務に関連する大学・専門学校での学歴(または10年以上の実務経験)が原則必要
  • 職務内容と学歴・職歴の関連性が重要な審査基準になる
  • 給与は日本人と同等以上である必要がある
  • 在留期間:5年、3年、1年、3ヶ月のいずれか

注意:単純労働・肉体労働には使えない

  • 工場でのライン作業、建設現場の作業員、飲食店のホールスタッフのみなど、単純労働には適用されません
  • 「コック」は「技能ビザ」の対象(外国料理に限る)。和食の調理師は別途検討が必要

③ 技能ビザ

「技能」は、外国に特有の技能を要する職種を対象とした就労ビザです。 「技術・人文知識・国際業務」がデスクワーク系なのに対し、「技能」はより実技・専門技能が求められる職種向けです。

職種カテゴリ 具体例 必要な経験年数(目安)
外国料理の調理 中華料理人、フランス料理人、タイ料理人など 10年以上
スポーツ指導 スポーツトレーナー、スポーツインストラクター 要件による
パイロット 航空機操縦士(コンメーシャルパイロット等) 250時間以上の飛行経験等
ソムリエ ワインソムリエ、飲料に関する高度技能 5年以上
航海・機関 航海士、機関士 要件による

「外国料理」の調理師に限定されます

「技能ビザ」の調理師は、外国料理(中華・タイ・フランス料理等)に限定されます。 日本料理や和食の調理師は原則としてこのビザの対象外です。また、一般的な飲食店スタッフ(ウエイター等)も対象外となります。

④ 企業内転勤ビザ

「企業内転勤」は、同一企業グループの海外拠点から日本の拠点(支社・支店・子会社など)へ転勤する外国人が取得するビザです。 グローバル企業における人材の国際的な流動に対応した在留資格です。

企業内転勤ビザの代表的なパターン

  • 🌏 海外の本社・親会社から日本の子会社・支社へ転勤(出向)
  • 🌏 海外の子会社から日本の親会社・本社へ転勤(出向)
  • 🌏 同一企業グループ内のいずれかの日本拠点への異動

主な取得要件

  • 転勤前に同一企業内で継続して1年以上勤務していること
  • 転勤先(日本)と転勤元(海外)が同一企業または同一企業グループであること
  • 従事する業務が「技術・人文知識・国際業務」に相当する専門的な業務であること(単純労働は不可)
  • 在留期間:5年・3年・1年・3ヶ月のいずれか(無期限ではない)

転勤元との関係が重要です

転勤元の企業と転勤先の日本法人が資本関係や支配関係などで同一企業グループ内にあることを証明する書類(組織図、株主構成書類等)が必要です。関係が不明確な場合は申請が難しくなる場合があります。

⑤ 経営管理ビザ

「経営管理」は、外国人が日本に在留しながら会社の経営や管理業務を行うためのビザです。 日本で起業・投資・会社経営を行いたい外国人、または既存企業の役員として就任する場合に必要です。

こんな場合に必要です

  • 👔 日本で新たに会社を設立し、代表取締役・社長として経営する
  • 👔 既存の日本法人に取締役・役員として就任する
  • 👔 日本で個人事業を営む(一定の事業規模が必要)
  • 👔 海外企業が日本に支店を設け、支店長として常駐する
要件項目 内容
事業の実態 事業所(オフィス)が確保されていること。自宅兼用は原則不可
事業規模 常勤の日本人等の職員を2名以上雇用、または資本金・出資金500万円以上のいずれかが必要(目安)
事業の継続性 事業計画書等で事業の安定性・継続性が審査される
在留期間 5年・3年・1年・6ヶ月・4ヶ月・3ヶ月のいずれか
法令遵守 税金・社会保険の適正な納付が確認される

審査が特に厳しいビザです

「経営管理」ビザは申請書類・事業計画書の質が審査結果を大きく左右します。特に起業直後や個人事業主の場合は、事業の継続性・安定性の証明が困難なケースも多く、専門家(行政書士)への相談を強くおすすめします。

⑥ 4つの就労ビザ比較表

ビザの種類 主な対象者 代表的な職種 主な要件 在留期間
技術・人文知識・国際業務 専門的デスクワーク従事者 IT・通訳・デザイナー・外国語講師等 関連学歴or10年実務経験 5年・3年・1年・3ヶ月
技能 特殊技能を持つ職人・技術者 外国料理調理師・パイロット・ソムリエ等 業種に応じた実務経験年数 5年・3年・1年・3ヶ月
企業内転勤 グループ会社から日本への転勤者 管理職・専門職(転勤者) 同一企業1年以上勤務 5年・3年・1年・3ヶ月
経営管理 会社経営者・役員・起業家 社長・取締役・支店長等 事業実態・事業所確保・規模要件 5年・3年・1年・6ヶ月・4ヶ月・3ヶ月

⑦ よくある質問(Q&A)

就労ビザは全部で何種類ありますか?
在留資格の総数は29種類(2024年時点・出入国在留管理庁)で、このうち就労が認められる在留資格(就労ビザ)は16種類とされています(集計方法・資料により16〜19種類と幅があります)。ただし実務上の申請件数の大半を占めるのは「技術・人文知識・国際業務」「技能」「企業内転勤」「経営管理」の4つです。
「技術・人文知識・国際業務」はどんな職種で必要ですか?
理工系技術者・IT技術者・外国語講師・通訳・コピーライター・デザイナーなど、知識・技術を用いるデスクワーク系の職種で必要になります。就労ビザの中で最も申請者が多く、幅広い業種・職種をカバーしています。
「技能」という在留資格はどのような職種で必要ですか?
外国料理の調理師・パイロット・スポーツトレーナー・ソムリエなど、外国に特有の高度な技能を要する職種で必要になります。「技術・人文知識・国際業務」がデスクワーク中心なのに対し、「技能」は実技・専門技能が前提の職種向けです。なお、料理師は外国料理(中華・タイ・フランス料理等)に限定され、一般の調理スタッフは対象外です。
「企業内転勤」はどのような場合に必要ですか?
同一企業グループ内で、海外の拠点から日本の拠点(支社・支店・子会社など)へ転勤する場合に必要になります。転勤前に同一企業で1年以上継続して勤務していることが要件の一つです。無期限の在留が認められるビザではなく、在留期間内に就労することになります。
「経営管理」という在留資格はどのような場合に必要ですか?
外国人が日本に在留しながら会社社長・取締役・役員として経営管理業務を行う場合に必要になります。日本で新たに起業する場合や、既存の日本法人の役員に就任する場合も含まれます。事業所の確保・事業の継続性・規模要件など審査項目が多く、申請の難易度が高いビザの一つです。
就労ビザの取得にはどれくらい時間がかかりますか?
在留資格認定証明書の交付申請から交付まで、通常1〜3ヶ月程度かかります。書類に不備がある場合はさらに1ヶ月以上かかることもあります。申請に余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。また経営管理ビザなど審査が複雑な場合はさらに時間がかかるケースもあります。
転職した場合、就労ビザはどうなりますか?
転職後も同じ種類の業務(在留資格の範囲内の活動)であれば、在留資格の変更は原則不要です。ただし所属機関が変わった場合は14日以内に出入国在留管理庁へ届出(所属機関に関する届出)が必要です。業務内容が変わり在留資格の範囲を超える場合は、在留資格変更許可申請が必要になります。
就労ビザと永住者・日本人の配偶者等は何が違いますか?
就労ビザ(就労系在留資格)は定められた職種・活動の範囲内でのみ働けるのに対し、永住者・日本人の配偶者等・定住者などの身分系在留資格は職種に制限なく自由に就労できます。外国人を採用する際には、在留カードで在留資格と就労制限の確認が不可欠です。

⑧ まとめ

🗒️ 代表的な就労ビザ ポイントまとめ

  • 在留資格の総数は29種類、就労が認められる在留資格は16種類(2024年時点)
  • 実務でよく使われるのは「技術・人文知識・国際業務」「技能」「企業内転勤」「経営管理」の4つ
  • 「技術・人文知識・国際業務」はIT・通訳・デザイナーなどデスクワーク系職種が対象
  • 「技能」は外国料理の調理師・パイロット・ソムリエなど特殊技能職種が対象
  • 「企業内転勤」は同一企業グループからの転勤(転勤前1年以上の勤務経験が必要)
  • 「経営管理」は会社社長・役員・起業家向けで、審査が特に厳しいビザ
  • どのビザも許可された範囲外の就労は不法就労になるため注意が必要

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記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応

講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師

詳しいプロフィールを見る

運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター

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広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター

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広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター

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Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁

2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所 「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応

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