外国人を雇う前に読む|在留資格・就労資格証明書・届出義務・介護ビザを総まとめ
外国人を雇用する際に「在留カードを確認したから大丈夫」と思っていませんか?実は、有効な就労ビザを持っていても職種が合わなければ不法就労になるケースが多く、雇用主も「不法就労助長罪」で処罰される可能性があります。
このガイドでは、中途採用・派遣・製造業・アルバイトなど雇用形態別に、在留資格の確認方法・就労資格証明書の活用・手続きの流れを実務目線でまとめました。制度変更(2025年4月の手数料改定・育成就労制度への移行など)も反映済みです。
📌 この記事でわかること
- 外国人を中途採用するときに「就労資格証明書」が有効な理由
- 就労資格証明書の必要書類・手数料・申請タイミング(2025年改定済)
- 派遣社員として外国人を採用する際の審査のポイント
- 製造業でライン作業に外国人を就かせる際の在留資格の整理
- 留学・家族滞在ビザ保有者をアルバイトで雇う際の週28時間ルール
- 会社規模と就労ビザの関係・学歴と職務内容のマッチングの重要性
- 技能ビザ(調理師)の実務経験年数要件
- IT企業・飲食業での就労ビザ活用ポイント
- 外国人雇用時のハローワーク届出義務(外国人雇用状況の届出)
- 外国人介護士を雇用する4つのルートと「在留資格 介護」への道
外国人を中途採用するときは「就労資格証明書」の取得を
他社から外国人を中途採用する際に最初に確認すべきことは、その外国人が持つ在留資格(就労ビザ)が、自社の募集職種に適合しているかどうかです。この確認を怠ると、雇用後に不法就労が発覚し、外国人本人はもちろん雇用主にも「不法就労助長罪」が適用される深刻なリスクがあります。
不法就労・不法就労助長罪のリスク
- 就労ビザを持っていても、職種が在留資格に適合しない活動は不法就労となる
- 雇用主には不法就労助長罪(入管法第73条の2)が適用される可能性がある
- 令和6年入管法改正(2025年6月施行)により罰則が厳罰化:5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科可)
- 「知らなかった」でも過失があれば処罰対象となる(在留カード確認の懈怠など)
- 不法就労の事実は永住申請の際にも大きなマイナスとなる
具体例:在留資格の職種ミスマッチ
たとえば、前職の会社の総務部門で「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得した外国人が、家電量販店の販売スタッフとして就労することはできません。在留資格はあくまでも「特定の業務内容で就労する資格」であり、職種が変われば再審査が必要になります。
就労資格証明書とは
就労資格証明書とは、出入国在留管理庁長官が「この外国人はこの業務で就労できる」と証明する文書です(入管法第19条の2)。取得は任意ですが、転職リスクを事前に解消できる非常に強力なツールです。
雇用主のメリット
採用前に在留資格と自社職務の適合性を確認できる。不法就労リスクを事前に排除し、安心して採用できる。
外国人本人のメリット
転職先での就労が認められていることを証明でき、次回のビザ更新がスムーズになる。就労資格証明書があれば更新時の提出書類が簡略化される。
転職活動中の活用
転職先が決まっていない段階でも申請できる。自身の在留資格の就労範囲を転職先企業に示すためのツールとして使える。
在留期限まで3か月以内の場合は手続きが変わります
在留カードの在留期限まで残り3か月未満の状況では、就労資格証明書交付申請ではなく、在留期間更新許可申請に転職先の情報を添付する方法をとります。在留期限の残期間を必ず確認してから手続きを選択してください。
目安として、在留期限まで6か月以上残っているなら就労資格証明書交付申請、3か月未満なら在留期間更新許可申請を検討するのが一般的な実務運用です。
就労資格証明書の申請から交付までの流れ
下記の必要書類一覧を参照し、前職・転職先の両方の書類を準備します。
外国人の住所地を管轄する地方出入国在留管理局の窓口またはオンライン申請システムで提出します。全都道府県に窓口(出張所含む)があります。
転職を伴う場合の審査期間はおおむね1か月〜3か月程度です。審査の進捗によって異なります。
許可ハガキが届いたら、入管窓口に赴き収入印紙で手数料を納付して証明書を受領します。
必要書類一覧
転職を伴う申請(勤務先・活動内容が変わる場合)の提出書類は以下の通りです。
2025年4月改定:手数料が変わりました
2025年4月1日以降の申請受付分から手数料が改定されています(出入国管理及び難民認定法施行令改正)。
| 申請方法 | 改定前(〜2025年3月) | 改定後(2025年4月〜) |
|---|---|---|
| 窓口申請 | 1,200円 | 2,000円 |
| オンライン申請 | (制度なし) | 1,600円 |
手数料は許可時に収入印紙で納付します(申請時ではありません)。オンライン申請は窓口より400円安く、窓口に出向く手間も省けるためおすすめです。
※ 制度・手数料は変更される場合があります。申請前に出入国在留管理庁の公式ページで最新情報をご確認ください。
手続きが複雑な場合や在留期限が迫っている場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。→ ビザ相談窓口(無料相談)
派遣社員として外国人を採用する場合
派遣という雇用形態でも、一定の要件を満たせば就労ビザを取得できます。ほとんどのケースでは「技術・人文知識・国際業務」ビザの申請になります。
派遣での就労が認められている主な例外分野
原則として派遣形態での就労はできませんが、農業・漁業分野に限り、在留資格「特定技能」に限定して一部派遣形態での就業が認められています。
派遣の場合の審査対象が増える
通常の直接雇用と異なり、派遣社員として就労ビザを申請する場合、出入国在留管理庁は外国人本人・派遣元企業(雇用契約先)・派遣先企業(実際に就労する場所)の三者を審査します。
| 審査対象 | 主な確認事項 |
|---|---|
| 外国人本人 | 学歴・職歴・職務内容との整合性 |
| 派遣元企業 | 事業の安定性・継続性・雇用管理体制 |
| 派遣先企業 | 具体的な業務内容・単純労働ではないことの確認 |
派遣先での単純労働は禁止
「技術・人文知識・国際業務」ビザは、専門技術的なデスクワーク業務に従事することが前提として交付されます。派遣先で単純労働・ライン作業などに従事させることはできません。職務内容が変わった場合は在留資格変更許可申請が必要となる場合があります。
現状の実態
現実的には、派遣社員として勤務している外国人の多くは、就労制限のない在留資格(永住者・定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等)を持っている方々です。これらの在留資格は職種に制限がないため、派遣会社が職種をコーディネートしやすいというメリットがあります。
就労ビザへの切り替えや派遣での外国人採用を検討している企業様は、就労ビザのサポート内容もご確認ください。
製造業で外国人が働く場合に必要な在留資格
製造業で外国人が従事する業務は大きく3つに分類でき、それぞれで必要な在留資格が異なります。
① 事務的作業
人事・総務・会計・マーケティングなど。「技術・人文知識・国際業務」ビザが必要。
② 技術系作業
開発・品質管理・R&Dなど。「技術・人文知識・国際業務」ビザが必要。
③ ライン作業
組み立て・検査・梱包など。原則として単純労働と判断されるため、就労ビザは交付されない。
ライン作業に外国人を従事させる方法
③のライン作業で外国人を雇用できるのは、以下のいずれかに該当する場合に限られます。
技能実習制度は2027年4月に廃止されます
2024年6月に成立した改正入管法により、1993年から続いてきた技能実習制度は2027年4月1日をもって廃止され、「育成就労制度」へと移行します。2026年中は技能実習の新規申請も可能ですが、2027年4月以降は新たな枠組みへの対応が必要です。
- 2026年4月15日〜:監理支援機関の許可申請受付開始
- 2026年9月1日〜:育成就労計画の認定申請受付開始
- 2027年4月1日:育成就労制度の運用開始・技能実習制度の廃止
現在、技能実習生を受け入れている企業は早めに体制の見直しを進めることをおすすめします。
(参考)就労関係の在留資格と就労可能性の一覧
| 在留資格 | 雇用契約 | 就労可否 | 可能な活動 |
|---|---|---|---|
| 研修 | なし | 不可 | 座学研修のみ |
| 短期滞在 | なし | 不可 | 講習受講・見学のみ |
| 育成就労(旧:技能実習) | 受入企業との雇用契約 | 可 | 定められた職種に限定 |
| 企業内転勤 | 現地または日本の企業との雇用契約 | 可 | 原則として専門技術・事務的デスクワーク |
| 技術・人文知識・国際業務 | 日本にある企業との雇用契約 | 可 | 専門技術・事務的デスクワーク |
| 特定技能1号・2号 | 日本にある企業との雇用契約 | 可 | 特定の産業分野における業務 |
| 永住者・定住者・日本人配偶者等 | 各種 | 可(制限なし) | ほぼすべての就労活動 |
製造業での外国人採用・特定技能・育成就労など、雇用形態の選択で迷う場合は就労ビザサポートページまたはビザ相談窓口をご利用ください。
外国人をアルバイトとして雇う場合の注意点
コンビニや飲食店で外国人スタッフを見かけることが増えていますが、外国人をアルバイトとして採用する際には在留資格の確認が不可欠です。
資格外活動許可とは
「留学」「家族滞在」の在留資格を持つ外国人は、原則として日本で就労することができません。ただし、資格外活動許可を取得することで、一定の条件内でアルバイトが認められます。許可が下りると、在留カードの裏面に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されます。
| 在留資格 | アルバイトの可否 | 週の上限時間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 留学 | 資格外活動許可があれば可 | 原則週28時間以内 | 学校が定める長期休暇中は週40時間(1日8時間以内)まで可 |
| 家族滞在 | 資格外活動許可があれば可 | 週28時間以内 | 年間を通して週28時間が上限(長期休暇の特例なし) |
| 永住者・定住者など | 許可不要で可 | 制限なし | 就労に制限のない在留資格 |
雇用主が注意すべき3つのポイント
- 在留カードで資格外活動許可の有無を必ず確認する:許可なしに就労させると不法就労助長罪となる
- 週28時間の計算は「任意の連続する7日間」で管理する:日曜〜土曜の週単位ではなく、どの7日間を切り取っても28時間以内である必要がある
- 複数のアルバイト掛け持ちの場合は合計時間を管理する:他社でのアルバイト時間も合算される
働けない業種があります(風俗営業関連)
資格外活動許可を持っていても、以下の業種では就労できません。接客・調理・清掃を問わず、事業所での就労自体が禁止されています。
- パチンコ店・麻雀店・ゲームセンター
- キャバレー・ナイトクラブ・ホストクラブ
- 照明が著しく暗い飲食店・バー
- 性風俗関連施設
会社の規模と就労ビザの関係
よく「うちは小さな会社だから就労ビザは取れないのでは?」というご相談をいただきますが、これは誤解です。
会社の規模よりも重要なこと
社員数が少ない小規模な会社であっても、会社の安定性・事業の継続性が証明できれば就労ビザは交付されます。決算書・法人登記・事業計画などで財務基盤と将来性を示すことが求められます。
規模よりもはるかに重要なのが「学歴と職務内容のマッチング」です。いくら安定した大企業であっても、採用する外国人の学歴・専攻と担当職務に整合性がなければ就労ビザは交付されません。
| 審査の重点項目 | 内容 | 影響度 |
|---|---|---|
| 学歴と職務内容の一致 | 大学・専門学校の専攻と担当業務の関連性 | ★★★(最重要) |
| 会社の安定性・継続性 | 設立年数・売上・利益・従業員数など | ★★(重要) |
| 会社の規模(社員数) | 直接的な要件ではなく参考情報 | ★(参考程度) |
調理師として技能ビザを取るための実務経験年数
外国料理の調理師を海外から招聘する場合や、国内の外国人調理師を雇用する場合は「技能」という在留資格(技能ビザ)が必要になります。このビザの最大の要件が実務経験年数です。
原則:10年以上
タイ人調理師以外の外国人調理師は、調理業務に関する実務経験が10年以上必要です。外国の調理師学校・料理専門学校に在籍した期間も実務経験に含めることができます(日本の学校は不可)。
タイ人調理師:5年以上
日タイEPA(経済連携協定)の適用により、タイ人調理師は5年以上の実務経験で申請可能です。ただし、追加要件が設けられています(下記参照)。
タイ人調理師の追加要件(3つすべてが必要)
- タイ労働省が発行する「初級以上のタイ料理人としての技能水準に関する証明書」の取得(タイ国家試験への合格が必要)
- 申請日の直前1年間において、タイにおいてタイ料理人として妥当な報酬を受けていたこと(来日直前までタイで就労していること)
- 実務経験5年以上(上記証明書取得のための教育機関在籍期間を含む)
なお、②③の証明ができない場合は、10年以上の実務経験を証明する書類の提出が求められます。
技能ビザ(調理師)で注意すること
- 実務経験証明書の偽造が多く、審査が年々厳格化している
- 日本での調理師経験は実務経験に加算されない
- 技能ビザで入国した調理師は調理業務に専従する必要がある。ホール業務・接客・配膳に従事させると不法就労となり、雇用主に不法就労助長罪が適用される
- 一般的な餃子専門店・ラーメン店など「我が国において特殊な技能を要しない」と判断される業態では不許可になる可能性がある
技能ビザの申請は書類の真正性確認を含め専門的な判断が求められます。手続きに不安がある場合は就労ビザサポートページよりご相談ください。
IT企業・飲食業で就労ビザを活用する際のポイント
就労ビザ(主に「技術・人文知識・国際業務」)は、業種ごとに職種の要件解釈が異なります。特にIT企業と飲食業は、誤解が生じやすい分野です。ここで整理します。
IT関連企業で外国人を採用する場合
IT企業で就労ビザが認められやすい職種は主に次の2つです。
ソフトウェア・アプリ開発
原則として情報工学・コンピュータサイエンス系の学部・学科を卒業していることが必要です。ただし、文系出身者でも職務内容との関連性が説明できれば可能なケースがあります。
総務・人事・会計・営業
経営学・法学・経済学など文系学部の専攻が職務内容と関連していれば就労ビザの取得が認められます。語学力を活かした国際業務も対象になります。
文系出身者がIT部門で働く場合の考え方
「開発部門だから理系でないとダメ」ではありません。たとえばアプリケーション開発プロジェクトで、日本語版に加え中国語・英語版を並行開発するケースでは、語学力・現地文化理解を業務に活かす文系学部出身の外国人を配置することが合理的であると説明できます。
重要なのは「学歴専攻と担当業務の間に論理的な関連性があること」を採用理由書で具体的に説明できるかどうかです。
飲食業で外国人を採用する場合
飲食業に就職する外国人が「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザを取得できるのは、原則としてホールや調理補助ではなく、事務部門での就労が前提となります。
飲食店のホール・レジ業務には就労ビザは交付されません
技術・人文知識・国際業務ビザは「専門技術・事務系職種」が対象です。接客・ホール・レジ打ちなどの業務は「単純労働」と判断されるため、このビザでは就労できません。また、飲食業の事務部門での採用は、ある程度の事業規模がある企業でなければ就労ビザが認められないことが多いです(事業の安定性・継続性要件)。
飲食業で外国人をホール・調理で雇用できる在留資格
| 在留資格 | 業務範囲 | 主な要件・注意点 |
|---|---|---|
| 技能(料理人) | 外国料理の調理のみ(ホール・接客は不可) | 10年以上の実務経験(タイ人調理師は5年)が必要 |
| 特定技能1号(外食業) | 調理・接客・店舗管理等 | 2026年4月13日以降、新規受入れが原則停止中。既存の特定技能外国人の更新・転職は継続可 |
| 特定活動46号(N1ビザ) | 日本語能力を活かした幅広い業務 | 日本の大学・大学院卒業かつ日本語能力試験N1合格等が条件 |
| 就労制限なし在留資格 | 制限なし | 永住者・定住者・日本人配偶者等は職種の制限がない |
特定技能1号(外食業)の新規受入れが2026年4月13日から原則停止
2026年3月、政府は外食分野の特定技能1号について、受入れ見込数(上限)に達する見込みとなったため、2026年4月13日以降の新規在留資格申請を原則停止する方針を発表しました。飲食業での新規採用を特定技能1号(外食業)で検討していた企業は、代替手段(技能ビザ・特定活動46号など)を検討する必要があります。最新情報は出入国在留管理庁の公式ページでご確認ください。
飲食業・外食業における外国人雇用の選択肢については、就労ビザサポートページまたはビザ相談窓口でご相談ください。
外国人雇用時のハローワーク届出義務
外国人を雇用した際には、すべての雇用主にハローワーク(公共職業安定所)への届出が義務付けられています。この義務を怠ると、30万円以下の罰金の対象となります(労働施策総合推進法第40条)。
届出の対象・除外
- 対象:在留資格「外交」「公用」以外の外国人労働者すべて
- 除外:特別永住者(在日韓国・朝鮮人等)は届出不要
- 正社員だけでなく、パート・アルバイト・短期雇用も対象
- 派遣社員の場合は派遣元企業が届け出る(派遣先は不要)
届出の方法:雇用保険加入の有無で変わります
| 外国人の雇用保険加入 | 使用書類 | 提出期限 | 提出先 |
|---|---|---|---|
| 加入する場合(雇用保険被保険者) | 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)でOK。別途届出は不要 | 雇入れ日の翌月10日まで | 管轄ハローワーク |
| 加入しない場合(雇用保険未加入) | 外国人雇用状況届出書(様式第3号)を別途作成・提出 | 雇入れ日または離職日の翌月末日まで | 管轄ハローワーク |
届出に必要な外国人情報
- 氏名
- 在留資格
- 在留期間(在留期限)
- 在留カード番号(2020年3月以降必須)
- 国籍・資格外活動許可の有無 など
在留カードを確認しながら記入します。記入後はハローワーク窓口への持参、またはオンライン(外国人雇用状況届出システム・e-Gov)で提出できます。
離職時の届出も忘れずに
外国人が離職した際も、雇い入れ時と同様の届出が必要です(雇用保険加入者は喪失手続き、未加入者は様式第3号を翌月末日までに提出)。
また、外国人本人も転職・離職した際は出入国在留管理庁への「所属機関等に関する届出」が必要です。この届出は入管窓口への出頭は不要で、郵送でも手続きができます。様式は出入国在留管理庁ホームページからダウンロードできます。
外国人介護士を雇用するには
介護分野は慢性的な人材不足が続いており、外国人労働者への注目が年々高まっています。外国人が介護職として日本で働くルートは現在、大きく4つあります。
在留資格「介護」
日本の介護福祉士養成施設を卒業し介護福祉士資格を取得した外国人が対象。在留期間の上限なし・家族帯同可・訪問系サービスも可能。最もメリットが大きいルート。
特定技能1号「介護」
介護技能評価試験・介護日本語評価試験・日本語試験(N4以上)の3試験合格が必要。在留期間は最大5年。介護福祉士資格取得後は「在留資格 介護」へ移行可能。2025年4月から訪問介護も解禁(追加要件あり)。
育成就労(旧:技能実習)介護
2017年に技能実習に介護職種が追加。2027年4月から育成就労制度に移行予定。最長5年就労でき、良好に修了すれば特定技能1号への移行が可能。
EPA(経済連携協定)
インドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国対象。候補者として来日し、介護福祉士国家試験合格後に「在留資格 介護」へ移行できる。在留期間は原則4年。
在留資格「介護」を取得するための条件
就労系在留資格の中で「介護」という専門的カテゴリが設けられたことで、一定の要件を満たす外国人を介護士として長期雇用できるようになりました。主な要件は以下の通りです。
介護福祉士資格の取得ルートと経過措置(2026年時点)
介護福祉士の取得ルートは主に養成施設ルート(専門学校・大学で2年以上学ぶ)と実務経験ルート(3年以上の実務経験+実務者研修修了後に国家試験受験)の2つです。
養成施設ルートでは、本来2017年度卒業者から国家試験合格が義務付けられていますが、外国人留学生の国家試験合格率が低いこと(2025年度で約35%)を踏まえ、経過措置が延長されています。2026年3月、政府は養成施設卒業後5年間の経過措置を2031年度卒業者まで5年間延長する法改正案を閣議決定しました(2026年通常国会に提出)。
ただし、技能実習(育成就労)ルートで実務経験を積んで介護福祉士試験に合格しても、「在留資格 介護」への変更は現制度では認められていません。在留資格「介護」への変更が想定されているのは、主に養成施設ルートで取得した方です。
特定技能1号(介護)の特徴と注意点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 在留期間の上限 | 通算5年(介護分野には特定技能2号は設定されていない) |
| 次のステップ | 在留中に介護福祉士国家試験に合格すれば「在留資格 介護」へ変更可。以降は在留期間の上限なし |
| 事業所ごとの受入れ上限 | 常勤介護職員の総数が上限(例:常勤20名の施設は最大20名まで) |
| 試験免除ルート | 介護職種の技能実習2号を良好に修了した者、介護福祉士養成施設を修了した者は試験免除 |
| 訪問介護 | 2025年4月21日から解禁(初任者研修修了・実務経験1年以上などの追加要件あり) |
| 協議会加入 | 初めて受入れた日から4か月以内に「介護分野における特定技能協議会」へ加入必須 |
介護ビザに関する注意点
- 技能実習(育成就労)介護の修了者は「在留資格 介護」へ直接変更できない(特定技能1号への移行、または国家試験合格後の移行が経路)
- 特定技能1号の介護は家族帯同ができない(「在留資格 介護」へ移行後は可能)
- 介護福祉士の国家試験は日本語で実施される。外国人の合格率は一般的に低め(2025年度:EPA候補者で37.9%)
- 養成施設の外国人留学生割合が入学者の半数超(2025年57%)と高く、制度の動向に注意が必要
外国人介護士の採用・在留資格手続きについては、ビザ相談窓口(無料相談)よりお気軽にご相談ください。介護分野の在留資格は複数のルートが並立しており、事業所の状況に応じた選択が重要です。
よくある質問(FAQ)
まとめ・次にやること
外国人雇用では、在留資格の確認だけでは不十分です。在留資格の種類×職務内容の適合性を必ずセットで確認することが、不法就労リスクを防ぐ第一歩です。
📞 判断に迷ったらまずご相談ください
外国人雇用に関する在留資格の確認・就労資格証明書の申請・不許可後の再申請など、状況に応じた対応策についてご相談を承っています。期限が迫っている場合は早めのご連絡をおすすめします。
- ビザ相談窓口(無料相談):迷っている・急ぎの場合
- 就労ビザサポート:就労ビザ全般
- 定住者・家族滞在ビザ:家族滞在・定住者などの在留資格
- 不許可相談:一度不許可になった場合
※ 本記事の情報は2026年5月時点のものです。入管法・省令・運用は変更されることがありますので、手続き前に必ず出入国在留管理庁または専門家にご確認ください。
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/permanent/
広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/work/
広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/businessmanagement/
広島帰化申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/naturalization/
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所 「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター https://hiroshima-visa.link/permanent/
広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター https://eightlinks.link/work/
広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター https://hiroshima-visa.link/businessmanagement/
広島帰化申請代行センター https://hiroshima-visa.link/naturalization/

