日本の大学卒業後も就職活動を続けたい外国人留学生へ|特定活動ビザへの切り替え完全ガイド【2026年版】
日本の大学を卒業しても就職が決まらなかった——そんなとき、あわてて帰国する必要はありません。一定の条件を満たせば、卒業後も引き続き日本に滞在して就職活動を続けることができます。そのために必要なのが、「留学」の在留資格から「特定活動」への変更です。
この記事では、卒業後の就職活動継続ビザ(告示外特定活動)について、申請の流れ・必要書類・在留期間・アルバイトのルール・内定後の手続きまで、2026年時点の最新情報をもとに解説します。
この記事でわかること
- 卒業後の就職活動特定活動ビザとは何か(制度の概要)
- 変更申請のタイミングと在留期間(最長1年間)
- 申請に必要な書類一覧(大学推薦状の取得方法を含む)
- アルバイト(資格外活動許可)のルールと注意点
- 就職先が決まったあとの在留資格変更の流れ
- やってはいけないNG行動と対処法
卒業後の就職活動ビザとは?制度の全体像
「留学」の在留資格は、その名のとおり大学等に在学している間のみ有効です。卒業と同時に「留学」としての活動が終了するため、そのまま日本に滞在し続けると不法残留(オーバーステイ)になります。
そこで活用できるのが、「卒業後就職活動継続のための特定活動(告示外特定活動)」です。これは出入国在留管理庁が定める特例措置であり、以下の条件を満たす場合に認められます。
対象となる学校
日本の大学(学部・大学院・短期大学・高等専門学校)または専修学校専門課程で「専門士」の称号を取得して卒業した方が対象です。
申請の要件
在留状況に問題がなく、卒業した教育機関による推薦状の取得が原則として必要です。学校ごとに独自の条件が設けられている場合があります。
活動内容
日本企業・機関への就職を目的とした就職活動(合同説明会参加、会社訪問、面接など)が認められた活動です。就職活動以外の就労は原則禁止です。
この制度と「特定活動46号(N1ビザ)」は別物です
「特定活動46号(本邦大学卒業者)」は就職先が決まった後に就労するための在留資格です。一方、この記事で解説する就職活動継続のための特定活動は、まだ就職先が決まっていない段階で就職活動を続けるための制度です。混同しないよう注意してください。
在留期間と延長のルール
この特定活動の在留期間は、原則として6か月が付与されます。さらに、引き続き就職活動を継続している場合は、もう1回だけ更新が認められるため、最長で卒業後1年間日本に滞在して就職活動を行うことができます。
留学ビザの在留期間が満了する前に、特定活動への変更申請を行う必要があります。
卒業した学校の推薦状等を添えて在留資格変更許可申請を行います。許可されれば6か月間滞在して就職活動ができます。
最初の6か月が経過後も就職活動中の場合、在留期間の更新申請ができます。更新が認められれば、さらに6か月間滞在が可能です(この更新は1回限りです)。
この期間内に就職が決まれば、就労ビザへ変更します。決まらない場合は、原則として帰国が必要です。ただし、別途地方公共団体の就職支援事業を活用することで、さらに最大1年(2年目)延長できる場合もあります(要件あり)。
在留期間の満了には厳重注意
在留期間が1日でも過ぎると不法残留(オーバーステイ)となります。就職活動に集中するあまり、在留カードの満了日を忘れてしまうケースがあります。カレンダーに満了日を登録し、少なくとも満了の1か月前までには更新手続きを開始してください。
なお、在留期間更新の申請を満了日前に行った場合、審査中であっても特例期間(満了日から2か月間または審査結果通知まで)は引き続き在留できます。
申請の流れ(ステップ別)
在留資格変更には準備期間が必要です。特に大学の推薦状は学校のスケジュールに左右されるため、余裕をもって動き始めましょう。
在留資格変更には、卒業した大学等が発行する推薦状が原則として必要です。大学によっては面談や書類提出が求められたり、一定回数のセミナー参加が条件となる場合もあります。まず大学の国際センターや留学生支援窓口に問い合わせましょう。推薦状の発行には数週間かかる場合があります。
大学推薦状のほか、自分で用意する書類があります(次のセクション参照)。在留資格変更許可申請書は出入国在留管理庁のウェブサイトから最新版をダウンロードしてください。
住所地を管轄する地方出入国在留管理局(または出張所)に書類一式を持参して申請します。オンライン申請が可能かどうかは、最新の出入国在留管理庁のウェブサイトでご確認ください。
申請後、出入国在留管理庁が審査を行います。審査期間中は申請時の在留資格で引き続き在留できます(特例期間)。追加書類の提出を求められる場合があります。
窓口申請の場合、審査終了後にはがきで通知が届きます。通知が届いたら地方出入国在留管理局へ出向き、新しい在留カードを受け取ります。この際、収入印紙代(2026年5月現在:窓口申請6,000円)が必要です。
特定活動(就職活動)の在留資格ではアルバイトは原則禁止です。アルバイトをしたい場合は、在留資格変更と合わせて、または変更後に資格外活動許可の申請を行ってください(詳細は次のセクション参照)。
必要書類一覧
申請書類は大きく「自分で用意するもの」と「大学が発行するもの」に分かれます。書類の不備があると審査が遅れたり、不許可になることがありますので、事前にしっかり確認してください。
① 全員が用意する共通書類
② 大学・大学院・短期大学・高等専門学校卒業者
③ 専修学校専門課程(専門士の称号取得)卒業者
推薦状の発行条件は学校によって異なります
推薦状の発行は大学の裁量であり、単に申請すれば必ず発行されるわけではありません。在学中からの就職活動実績が求められたり、面談や所定の書類提出が必要な場合があります。また、大学によっては卒業後の就職活動継続セミナーへの参加を条件としているケースもあります(例:月1回開催のセミナーに3回以上参加など)。卒業前に必ず大学の担当窓口に確認してください。
申請手数料について(2025年4月1日改定)
2025年4月1日より在留手続きの手数料が改定されました。在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請ともに、窓口申請:6,000円(収入印紙)、オンライン申請:5,500円となっています。収入印紙は郵便局やコンビニ(切手販売店)で購入できます。
なお、2026年3月に政府が入管法改正案を閣議決定しており、将来的にさらに手数料が引き上げられる可能性があります。申請時には出入国在留管理庁の公式サイトで最新の手数料を確認してください。
アルバイト(資格外活動許可)のルール
就職活動特定活動の在留資格では、原則として就職活動以外の就労は認められていません。しかし、「資格外活動許可」を別途取得すれば、週28時間以内のアルバイトが可能です。生活費の確保のためにも、必要であれば早めに申請しましょう。
| 項目 | 留学中(留学ビザ) | 卒業後就職活動(特定活動) |
|---|---|---|
| アルバイトの可否 | 資格外活動許可があれば可 | 資格外活動許可があれば可 |
| 週の上限時間 | 原則週28時間以内 | 原則週28時間以内 |
| 長期休暇中の特例 | 学則で定めた長期休業中は1日8時間(週40時間)まで可 | 特例なし(常時週28時間以内) |
| 風俗営業 | 不可 | 不可 |
| 資格外活動許可の取得 | 別途申請が必要 | 別途申請が必要(在留資格変更時に合わせて申請可) |
アルバイトの時間超過は「一発アウト」のリスクあり
週28時間を超えてアルバイトした場合は資格外活動違反となります。これにより、
- 特定活動ビザの更新が不許可になる可能性がある
- 内定が決まっていても就労ビザへの変更が許可されなくなる可能性がある
- 最悪の場合、退去強制の対象になりうる
「少し超えたくらい大丈夫」という感覚は非常に危険です。シフトを組む際は必ず週単位で合計時間を確認してください。
就職が決まったあとの手続き
就職先から内定をもらってからも、在留資格の手続きが必要です。状況に応じて2つのパターンがあります。
パターンA|卒業・内定後すぐに入社できる場合
入社日が決まっており、すぐに働き始められる場合は、特定活動(就職活動)から就労ビザへ在留資格変更許可申請を行います。就労ビザに変更が許可されてから、入社して働き始めることができます。
就労ビザに変更されるまでは働けません
内定をもらっても、就労ビザへの変更が許可される前に入社して働くことは不法就労となります。在留資格変更許可申請の審査には通常2週間〜1か月以上かかります。入社日より余裕をもって申請を行い、許可が下りた日以降に勤務を開始してください。
パターンB|内定はあるが入社まで期間が空く場合
内定は得たものの、入社日が数か月先(9月入社・翌年4月入社など)で待機期間がある場合は、「内定待機のための特定活動」への在留資格変更が必要になることがあります。
内定待機の特定活動への変更は、就職活動のための特定活動に比べて審査が厳しく、提出書類も多くなります。内定先の業務内容が技術・人文知識・国際業務等の就労ビザへの変更要件を満たしていることが前提となります。
手続きが複雑なため、就労ビザのサポート内容もあわせて確認しておくことをおすすめします。状況に応じた最適な手続きについては、専門家への相談が安心です。
よくある落とし穴と注意点
実際の申請でよくあるミスや、知らずに法律違反を犯してしまうケースをまとめました。事前に確認しておきましょう。
問題:卒業後は留学ビザの活動要件(学校への在籍)を満たさなくなります。在留期間が残っていても、在留資格に対応する活動を行っていない状態になります。
対処:卒業前に特定活動への変更申請の準備を始め、留学ビザの在留期間が満了する前に変更申請を行ってください。
問題:推薦状の発行には時間がかかります。大学が独自の条件を課している場合(セミナー参加など)、後から条件を満たすことができなくなることがあります。
対処:卒業が近づいたら早めに大学の担当窓口に問い合わせ、発行条件・必要書類・所要期間を確認してください。
問題:特定活動ビザでは、資格外活動許可なしにアルバイトをすることは資格外活動違反です。在留資格の更新・変更が許可されなくなる可能性があります。
対処:アルバイトをする場合は、必ず事前に資格外活動許可を取得してください。
問題:就労ビザへの変更が許可される前に働き始めることは不法就労です。内定があっても就労は許可されていません。
対処:就労ビザへの変更許可が下りた日から勤務を開始してください。申請が遅れると入社日に間に合わなくなる可能性があるため、内定後すぐに申請の準備を始めましょう。
問題:就職活動に集中するあまり、在留カードの期限を確認し忘れるケースがあります。在留期間が過ぎると不法残留(オーバーステイ)となり、退去強制・入国禁止などの重大な結果につながります。
対処:在留カードの満了日をスマートフォンのカレンダーに登録し、満了の1〜2か月前には更新手続きを開始してください。
よくある質問(FAQ)
まとめと次にやること
日本の大学を卒業後も就職活動を続けるための特定活動ビザについて解説しました。重要なポイントを整理します。
- 在留カードを確認し、現在の在留期間の満了日をカレンダーに登録する
- 卒業した(または卒業予定の)大学の国際センター・留学生支援窓口に推薦状の発行条件と必要書類を問い合わせる
- 資格外活動許可が必要かどうかを確認し、必要であれば申請の準備をする
- 手続きが複雑で不安な場合は、ビザ相談窓口で早めに状況を整理する
ビザの手続きは期限との戦いです。「まだ大丈夫」と先送りにせず、卒業前から早めに動き始めることが、日本でのキャリア実現への第一歩です。
情報の鮮度について
この記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。出入国在留管理庁の制度・運用・書式は変更される場合があります。申請前には必ず出入国在留管理庁の公式ウェブサイトまたは管轄の地方出入国在留管理局で最新情報をご確認ください。
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所
「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし
年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
運営HP
広島外国人ビザ相談センター
https://hiroshima-visa.link/
広島国際結婚&配偶者ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/marriage/
広島永住ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/permanent/
広島外国人雇用&就労ビザ申請代行センター
https://eightlinks.link/work/
広島外国人会社設立&経営管理ビザ申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/businessmanagement/
広島帰化申請代行センター
https://hiroshima-visa.link/naturalization/
記事の監修者

Eight Links 行政書士事務所 所長
蜂須賀 昭仁
2016年9月〜
VISA専門行政書士事務所 「Eight Links 行政書士事務所」を開業
専門分野 外国人在留資格申請、帰化許可申請
外国人の在留資格申請を専門分野とし年間500件以上の相談に対応
講師実績
広島県行政書士会国際業務協議会 担当講師
中華人民共和国遼寧省鉄嶺市(外国人会社設立・経営管理)についての講師
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